7ポート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 13:35 UTC 版)
「トルク・インダクション」の記事における「7ポート」の解説
詳細は「ループ式掃気」および「クロスフロー」を参照 トルク・インダクションの中核となる技術は、シリンダー内壁に設けられた吸気1、排気1、掃気5からなる合計7つのポートである。 元々ヤマハは1960年代中盤よりループ式掃気を改良し、シリンダー側面側に4つの掃気ポートを持たせた5ポート式をヤマハ・YAS-1などで採用していた。5ポート式は実際には吸気ポートを含めるとシリンダーには6つのポートが存在するが、掃排気に直接関わるポートは5つのため、吸気ポートを除外して5ポートと呼ばれていた。ヤマハのプレス発表に7ポートが初めて現れたのは1968年10月で、英国のプライベーター(英語版)、D・ブラウニングにより元々5ポート式であったヤマハ・TD1-Cを7ポート式に改造した車体が英国内のレースで活動中と報じられていた。 この7ポート式とは、5ポート式では掃排気に関わらなかった吸気ポートのポートタイミングをポート加工で変更し、掃気工程の際に吸気ポートも掃気に関わるように改良したものである。7番目のポートは吸気ポート上部のシリンダー内壁を削りこむようにして設置される為、掃気の際にはシリンダーの上方に向けて混合気が噴出するように動作する。これにより、初期のクロスフロー式掃気エンジンの改良策として存在したディフレクター・ピストン(英語版)と同様の効果をフラットトップピストンでも得られるようになり、ループ式掃気よりも確実な掃気効率が得られるようになった。その為、7ポート式は見かけ上は吸気1、排気1、掃気4の6つのポートしか存在しないが、吸気ポートが掃気ポートの役割も果たすという事で7番目のポートとして数え上げられていた。
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