52KON形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/19 03:34 UTC 版)
「ドイツ国鉄52形蒸気機関車」の記事における「52KON形」の解説
52形2006号機(1952年撮影)ドイツ連邦鉄道(西ドイツ国鉄)へ継承された52KON形の1両。2'2'T13,5KON復水式テンダーを連結し、ヴィッテ式デフレクターを装着する。 52形1972号機用2'2'T13,5KON復水式テンダー現存する52KON形用復水テンダー。 本形式は工場での簡素化提案などを随時取り入れたという事情もあって、その仕様は生産時期・生産工場によって様々であるが、特に軍用としても使用された車両の内、水質の悪い占領地域での使用を前提としていたヘンシェル製の164両については、タービンと冷却装置を組み合わせた復水装置を搭載した3'2'T16 KONテンダー(3軸+2軸、水容量16立方メートル)あるいは2'2'T13,5 KONテンダー(2軸ボギー、水容量13.5立方メートル。沿線設置の転車台直径が小さい路線向けに製作)を連結する復水式蒸気機関車である52KON形(KONはドイツ語の“Kondensation”(結露あるいは凝結)の略で排気中の水分を冷却・凝結させることで回収する復水式のメカニズムを示す)として完成している。 これら52KON形はシリンダーからの排気を復水装置のタービン駆動に用いる関係でボイラー通風のために別途ターボブロアーを搭載していたが、煤煙の上昇性は通常の52形より悪化した。このため、これら52KON形については資材消費節減と煤煙の上昇性改善を両立させるべく、従来のワグナー式デフレクターよりも小型の除煙板がヴィッテ技師により考案され、これを装着している。このヴィッテ式デフレクターは戦時中に量産された重量貨物機の42形にも採用され、戦後はその資材消費量の少なさと除煙効果が従来のワグナー式デフレクターと大差ないことが評価され、ワグナー式に代わってドイツの蒸気機関車用標準デフレクターとなって広く普及した。さらにはドイツ国外でも同様の小型デフレクターが普及するなど、以後の蒸気機関車開発へ復水装置以上に重要な影響を及ぼしている。
※この「52KON形」の解説は、「ドイツ国鉄52形蒸気機関車」の解説の一部です。
「52KON形」を含む「ドイツ国鉄52形蒸気機関車」の記事については、「ドイツ国鉄52形蒸気機関車」の概要を参照ください。
- 52KON形のページへのリンク