4TC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 15:24 UTC 版)
世界ラリー選手権(WRC)グループBの参戦資格を得るために200台が製造されたホモロゲーションモデル。 外観はワイドトレッド化に伴い前後フェンダーがブリスターフェンダーとなり、フロントライトの間に補助ライトが4灯埋め込まれ、リアには大型スポイラーが装着される。 エンジンはプジョー・504用ユニットがベースの、2.1L直列4気筒SOHCターボガソリンエンジンを縦置きで搭載する。駆動方式は4WDで、当時の最先端であったフルタイム4WD+ビスカス・カップリングではなく、パートタイム4WDであった。これは初期のアウディ・クワトロとほぼ同じである。 サスペンションは前後共にダブルウィッシュボーン式に変更されたが、スプリングはそのままハイドロニューマティックを使用していた。 競技用エボリューションモデルでは回頭性の向上を狙い、ラジエーターとチャージクーラーは後方に移されたものの、ハイドロニューマティックはそのまま流用された。 WRCでは、ラリー・モンテカルロ、スウェディッシュ・ラリー、アクロポリス・ラリーに出場した。しかし、ハイドロニューマティックの耐久性に難があり、「悪路ポリス」と揶揄される非常にハードな1986年のアクロポリス・ラリーでは、出走した3台すべてが序盤すぐにリタイアするという事態に見舞われた。 競技での成績不振と高価格で、市販車のほとんどは売れ残り、廃棄された。現存する個体は全世界で30数台程度と推測され、うち2台は日本国内に存在している。
※この「4TC」の解説は、「シトロエン・BX」の解説の一部です。
「4TC」を含む「シトロエン・BX」の記事については、「シトロエン・BX」の概要を参照ください。
- 4TCのページへのリンク