3Mテープ使用のマスターテープについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 10:01 UTC 版)
「マスタリング」の記事における「3Mテープ使用のマスターテープについて」の解説
大瀧詠一は、1989年にアルバム『A LONG VACATION』初の公式リマスター盤が発売された際、次のように語っている。 まだ世間的にはリマスタリングなんて言葉も無かったころですが、実は我々にしてみればこの時点で4回目のマスタリングだったんです。で、この時はアナログ・マスターからPCM-1630のU-Maticに落としました。その際、「アナログ・マスターが危険な状態にある」という話を聞かされたんです。1980年から83年までの3Mのテープは全体的に不具合があるという通達が来たのですよ。磁性体がボロボロ落ちて音が出なくなると。普通アナログは経年変化で最後はダメになるのだけど、この時期のテープはそれより早くダメになるという。それで「もう1回、何とかお願い!」ってU-Maticに入れたのがアナログを回した最後でした 一例を挙げると、松任谷由実のこの時期に当たるマスターテープも同じ状態にあり、1999年にリマスタリングした際(東芝EMI時代にピンク色の帯で再発売された作品)には、特殊なオーブン(恒温槽)で磁性体を一時的に定着させ作業を行った、という記述が当時の音楽雑誌にあり、『最終リマスター』と言われている。ちなみに3Mはその時期会社内で自社製のテープを使ったアルバムに『最優秀録音アルバム賞』というものを贈る風習があり、1982年の受賞アルバムに、『PEARL PIERCE/松任谷由実』『ユートピア/松田聖子(こちらはデジタル・マスター)』があり、これらがオリジナルのマスターからデジタル化されているのかは謎である。
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