2010年6月の衝突
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 09:30 UTC 版)
「木星への天体衝突」の記事における「2010年6月の衝突」の解説
Anthony Wesley は、木星のライブ画像を見ていた際、2010年6月3日12時31分に木星の表面で発光現象が起きたことに気づいた。Chris Go が、約2秒間継続した同じ発光現象を確認した。発光の継続時間が長いことから、宇宙線による発光ではないことが推定された。 ハッブル宇宙望遠鏡が6月7日に木星の表面を撮影した結果、衝突した天体が爆発したことによって放出された暗い塵を観測することができなかった。1994年と2009年に見られたような暗い衝突痕はこの塵によるものであるが、それが見られないことから衝突した天体は木星の大気上層部で蒸発し、爆発を起こしたり大気下層部まで到達したりはしなかったと推定された。そのためこの発光現象は、天体が超音速で大気を通過した際に生じた超高温に加熱された大気と蒸発した天体の物質によるものと見られている。 衝突した天体は大きさが直径8メートルから13メートルであり、質量は500トンから2000トンと推定されている。また、放出されたエネルギーは (1.8 - 6.0)×1010J である。10メートル程度の大きさの天体の衝突は、地球では10年に1度程度の頻度で発生する現象であるが、木星は1ヶ月に複数回生じていると考えられている。
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