2.連絡結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/02 07:31 UTC 版)
連絡結合 (れんらくけつごう、英:communicating junction)は、隣り合った細胞と細胞の直接的な連絡をする結合装置である。動物では、ギャップ結合(gap junction)と化学シナプス(chemical synapse)、植物では、 原形質連絡 (plasmodesma、複数形plasmodesmata)が知られている。 結合名細胞骨格介在膜タンパク質タイプ結合装置(備考)ギャップ結合(gap junction) なし コネクシン(connexin) 細胞-細胞 コネクソン(connexon) 化学シナプス(chemical synapse) なし シナプス接着分子 細胞-細胞 シナプス(synapse) 原形質連絡 (plasmodesma) アクチンフィラメント 細胞-細胞 デスモチューブル(desmotubule)(植物のみ) ギャップ結合(gap junction)は、英語をカタカナにしたままの「ギャップジャンクション」と言う用語もよく使われる。ギャップ結合はこの構造を通して、両細胞間に無機化合物イオンが自由に往来できる。物質代謝が同調しているいろいろな組織の細胞群に存在している。 また、魚や昆虫は刺激に対して素早く逃避するが、この逃避行動を支配する神経細胞では、細胞間の迅速な連絡が必要で、それをギャップ結合で行なっている。神経組織でのギャップ結合(gap junction)は、電気シナプス(electrical synapse)とも呼ばれる。 化学シナプス(chemical synapse)は、神経細胞に特有な伝達結合で,細胞から細胞へ興奮を伝える結合である。膨大な数の神経細胞のなかで、特定の神経細胞が目標とする特定の神経細胞を認識し、接着し、化学シナプス結合を形成する。この仕組みは、膨大な神経ネットワークの中でどのようにして特異的な神経経路が形成されるかのキーポイントである。この仕組みを解明し、人工的に制御できるようにするのは、学問的にも医療的にもとても重要である。化学シナプス結合の形成の仕組みだけでなく、維持される仕組みも、神経可塑性の仕組みもとても重要である。 原形質連絡 (plasmodesma)(plasmodesma、複数形plasmodesmata)は、植物に特有の伝達結合で、細胞壁を貫通し2つの細胞をつないでいる。この細胞結合を通して、植物は、細胞から細胞へと、物質と情報を伝えている。細胞結合の構造は、原形質膜(plasma membrane)、細胞質スリーブ(cytoplasmic sleeve)、デスモチューブル(desmotubule)の3部分で構成されている。デスモチューブル(desmotubule)には細胞骨格のアクチンフィラメントが関与していると言われている(Plasmodesmata)。
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