2-ノネナールとは? わかりやすく解説

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2-ノネナール

分子式C9H16O
その他の名称α-ノネニルアルデヒド、α-Nonenyl aldehyde、β-Hexylacrolein、β-ヘキシルアクロレイン、2-Nonen-1-al、2-Nonenal
体系名:2-ノネナール、2-ノネン-1-アール


2-ノネナール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/22 22:49 UTC 版)

2-ノネナール
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.017.784
EC番号
  • 242-609-6 (trans)
  • 219-562-5
PubChem CID
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
特性
化学式 C9H16O
モル質量 140.22 g mol−1
外観 無色の液体
沸点

188 - 190 °C (at 760.00 mmHg)

危険性[1]
GHS表示:
Warning
H315
P264, P280, P302+P352, P321, P332+P313, P362
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 1: Exposure would cause irritation but only minor residual injury. E.g. turpentineFlammability 2: Must be moderately heated or exposed to relatively high ambient temperature before ignition can occur. Flash point between 38 and 93 °C (100 and 200 °F). E.g. diesel fuelInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
1
2
0
引火点 79 °C (174 °F; 352 K)
安全データシート (SDS) External MSDS
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-ノネナール(2-Nonenal)は、不飽和アルデヒドの一種であり、油臭くて青臭いニオイを有する。熟成したビール[2]ソバ[3]の重要な芳香成分であり、品質劣化したビール、長時間加熱したリノール酸を豊富に含む食用油からも検出され[4]るもので、オリス(ニオイアヤメ)、脂肪そしてキュウリの知覚概念である[5]資生堂リサーチセンターの土師信一郎らによってヒトの体臭中にも存在することが見出され、加齢臭との関連が研究されている。

加齢臭との関連について

2001年4月発行のJournal of Investigative Dermatology(JID)において、資生堂リサーチセンターの土師信一郎らによって"2-Nonenal, Newly Found in Human Body Odor Tends to Increase with Aging"の表題で発表された[6]

この論文で彼らは、26歳から75歳までの男女22人に対し、3日連続で同一のシャツを夜間に着用させた上で、これらのシャツに捕集された体臭成分を抽出し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー/マススペクトルにより分析した。彼らは多くの体臭成分の濃度は年齢による影響は小さいが、中高年では2-ノネナールの濃度がもっとも顕著に増加する傾向があると結論づけた。さらに、2-ノネナールは皮膚表面に見られるパルミトレイン酸バクセン酸のようなω-7不飽和脂肪酸酸化分解反応によって生じることを究明した。

彼らは、シャツに縫い込まれたガーゼパッドでサンプルを集め、溶媒ヘキサンを用いて脂質を抽出することによって皮膚表面の脂質の濃度を分析し、サピエン酸のようなω-10脂肪酸の濃度は年齢による変化は見られないが、ω-7脂肪酸の濃度は加齢によって増加することを報告した。

但し、ロート製薬の研究によると「19 - 79歳の男女25人を対象にした試験では41歳を境に増加した体臭成分はジメチルスルホンベンゾチアゾールの2成分だけであったり、21 - 34歳までの女性10人を調査した結果でも2-ノネナールが検出されたりしていた」として“女性の加齢臭は、中高年男性の加齢臭の原因として知られる2-ノネナールとは断定できない”[7]という。

脚注

  1. ^ 2-Nonenal” (英語). pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2025年8月23日閲覧。
  2. ^ Santos J.R.; Carneiro J.R.; Guido L.F.; Almeida P.J.; Rodrigues J.A.; Barros A.A. (2008). “Determination of E-2-nonenal by high-performance liquid chromatography with UV detection - Assay for the evaluation of beer ageing.”. Journal of Chromatography A 985 (1): 395-402. doi:10.1016/S0021-9673(02)01396-1. 
  3. ^ Janes D, Kantar D, Kreft S, Prosen H (2008). “Identification of buckwheat(Fagopyrum esculentum Moench) aroma compounds with GC-MS”. Food Chemistry. doi:10.1016/j.foodchem.2008.05.048. 
  4. ^ 内田浩二「加齢臭成分のバイオマーカーとしての応用研究(Study on senescent product as a biomarker)」、Cosmetology : Annual report of cosmetology 21, pp.4-8,コスメトロジー研究振興財団, 2013
  5. ^ 2-nonenal 60784-31-8
  6. ^ S. Haze, Y. Gozu, S. Nakamura, Y. Kohno, K. Sawano, H. Ohta and K. Yamazaki (2001). “2-Nonenal Newly Found in Human Body Odor Tends to Increase with Aging”. Journal of Investigative Dermatology 116 (4): 520–524. doi:10.1046/j.0022-202x.2001.01287.x. 
  7. ^ ニオイが見た目を若くする?若年女性特有の香りの正体が判明【第3回日本抗加齢協会フォーラム⑤】(Aging Style)』(プレスリリース)goo ニュース、2019年1月24日https://web.archive.org/web/20190629144916/https://news.goo.ne.jp/article/agingstyle/life/agingstyle-2738.html2019年6月28日閲覧 

関連項目


2-ノネナール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/30 00:25 UTC 版)

皮膚ガス」の記事における「2-ノネナール」の解説

2-ノネナールは、皮脂含まれるパルミトレイン酸等のω‐7不飽和脂肪酸酸化生成物であり、加齢に伴い放散量が増加することから、香粧品分野では加齢臭呼ばれている。

※この「2-ノネナール」の解説は、「皮膚ガス」の解説の一部です。
「2-ノネナール」を含む「皮膚ガス」の記事については、「皮膚ガス」の概要を参照ください。

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