2号石室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 15:45 UTC 版)
2号石室は両袖型横穴式石室である。石室の全長7.1メートル、玄室の長さ3.6メートル、幅2.3メートル、高さ2.4メートルの規模である。1号石室同様、最初の埋葬以後、少なくとも3回、人の出入りした形跡があるが、最終的に石室が閉塞された後は人が立ち入った形跡はない。石室内からは、木棺の破片と思われる木片や、副葬品の須恵器、馬具、鉄器などが検出された。須恵器は、原形を保って置かれているものもあるが、大部分は破片となって各所に散乱していた。須恵器の子持壺の中に破壊された𤭯(はそう)の一部が入れられるなど、明らかに人為的に破壊された痕跡があった。同様に木片、馬具、鉄器なども石室全体に散乱し、攪乱されたような状態になっていた。木片とともに鉄釘8本分が確認され、この木片はもとは木棺であったことが推測される。ただし、すべての木片が木棺に属していたかどうかは不明であり、鉄釘も木棺の元の形を推測させるような場所にはなかった。また、木片、須恵器片、人骨などが散乱している状況をみると、完形を保っていた木棺が自然に崩壊したようには見えない。前述のように、この石室は、最終的に閉塞された後は人が立ち入っていないので、こうした破壊や攪乱が石室の閉塞前に行われたことは確かだが、その意図については明らかでない。 人骨も、木片などに混じって破片が見つかる程度で、明確ではないが、石室の向かって左寄りに歯、大腿骨頭、足根骨などが存在し1体分の遺体とみられるほか、右奥にも2体分とみられる歯などが残っており、石室内の人骨は3体分というのが調査所見である。
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