1968年2月のセッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 06:03 UTC 版)
「アクロス・ザ・ユニバース」の記事における「1968年2月のセッション」の解説
1968年2月にビートルズはEMIスタジオに集まり、インドでの瞑想修行中に発売するシングルに収録する予定の楽曲のレコーディングを行っていた。ポール・マッカートニーは「レディ・マドンナ」、レノンは「アクロス・ザ・ユニバース」を書き、いずれの楽曲も同じく「ヘイ・ブルドッグ」やジョージ・ハリスン作の「ジ・インナー・ライト」のボーカル・トラックと共に2月3日から11日の間にレコーディングされた。 「アクロス・ザ・ユニバース」は、2月4日にEMIスタジオのスタジオ2で開始された。この日のセッションでは6テイク録音され、テイク数のナンバリングを途中で誤り、テイク3から繰り上がってテイク4からテイク7とされた。ベーシック・トラックは、レノンがアコースティック・ギター、ハリスンがタンブーラ(英語版)、リンゴ・スターがトムトムという編成で録音された。 オーバー・ダビング用にテイク7が選ばれ、トラック2にハリスンによるタンブーラで演奏したドローン、トラック3にレノンのダブルトラッキングしたボーカルを録音。ここで女性のボーカルが必要だと判断したメンバーは、スタジオの外で待っていた2名のファン(リジー・ブラヴォーとゲイリーン・ビース)を招き、バッキング・ボーカルを担当させた。その後、レノンのボーカルとギター、スターのトムトムをトラック1、ハリスンのタンブーラとファン2名のバッキング・ボーカルをトラック2にピンポン録音し、テイク8を作成。このテイク8にベース、オルガン、ドラムがオーバー・ダビングされた。 しかし、レノンはアレンジに満足せず、テイク8にオーバー・ダビングしたベース、オルガンを消去。代わりにロータリースピーカーを通したエレクトリック・ギターとハーモニー・ボーカルを加えた。2月8日にモノラル・ミックスが一度制作された。 メンバーは、シングルとして発売する楽曲を「レディ・マドンナ」と「ジ・インナー・ライト」に決定し、本作と「ヘイ・ブルドッグ」はシングル曲候補から外された。その後、同年9月に映画『イエロー・サブマリン』で使用された「ヘイ・ブルドッグ」「オール・トゥゲザー・ナウ」「オンリー・ア・ノーザン・ソング」「イッツ・オール・トゥ・マッチ」の4曲の新曲とともにEPとして発売する案があり、1969年3月13日には改めてモノラル・ミックスが作成されたが、EP発売の話が立ち消えとなった。
※この「1968年2月のセッション」の解説は、「アクロス・ザ・ユニバース」の解説の一部です。
「1968年2月のセッション」を含む「アクロス・ザ・ユニバース」の記事については、「アクロス・ザ・ユニバース」の概要を参照ください。
- 1968年2月のセッションのページへのリンク