1580型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 00:58 UTC 版)
1928年に1581 - 1590の10両が新造された。製造は1581 - 1584が日本車輌製造、1585 - 1590が川崎車輌である。基本的には600型と同様の全鋼製車体を備えるが、車長が18,210 mmに延伸され、両運転台になった点が異なっており、1両に3枚窓非貫通式と貫通式の2つの「表情」があった。 運転台のマスコン・ブレーキハンドルはダッシュボードの中に埋め込まれた形状で、床はリノタイル貼りによる市松模様となり、運転台背後に鏡が設けられた。レタリングは側面幕板部が「KYOTO-OSAKA LINE」、同腰板部が「KEIHAN ELECTRIC RAILWAY LINE」となった。機器は1550型とほぼ同様であるが、台車が日本車輌製造製NS 84-35(軸距2,130mm、車輪径914mm)に変更された。また、この関係で歯車比が1550型の66:23=2.87から62:27=2.295へ変更され、全負荷時定格速度が40km/hから53km/hに向上している。 同線の急行列車に1550型・1580型は集中投入され、並行する東海道本線に対抗した。両形式の製造当時に運輸課乗客掛長だった村岡四郎(後に社長)の回想によると『「ロマンスカー」という名称について、どこをどう間違ったのか「寝ていける電車」かと電話で聞いてきた者もよくいた』という。また、この車両の投入による乗客の増加により、運輸収入が大きく増加し、その功績は「永劫不滅のものがある」と村岡は賞賛している。
※この「1580型」の解説は、「京阪1550型電車」の解説の一部です。
「1580型」を含む「京阪1550型電車」の記事については、「京阪1550型電車」の概要を参照ください。
- 1580型のページへのリンク