1粒子系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 14:42 UTC 版)
1粒子系のハミルトニアンの固有値問題(時間依存しないシュレーディンガー方程式)を解いた場合、解として多くのエネルギー固有状態・エネルギー固有値(以下、固有値)の組が得られる。解く段階では、それぞれのエネルギー固有状態に適当な番号付けが行われる。この番号が量子数であり、解である多くのエネルギー固有状態を量子数を使って区別する。 一般に得られる固有値は連続ではなく飛び飛びの値を持つので、普通は最もエネルギーの低い固有値をゼロ番目として、エネルギーの低いものから順に高いものに向かって番号付けしていくことが多い。 エネルギー固有状態は次の四つの量子数で区別される。 主量子数 n(principal quantum number) 方位量子数 l(軌道角運動量量子数、azimuthal quantum number) 磁気量子数 ml(軌道磁気量子数、magnetic quantum number) スピン磁気量子数 ms(spin quantum number) 各量子数には次のような制限がある。 n = 1 , 2 , 3 , … {\displaystyle n=1,2,3,\dots } l = 0 , 1 , 2 , … , n − 1 {\displaystyle l=0,1,2,\dots ,n-1} m l = 0 , … , ± ( l − 1 ) , ± l {\displaystyle m_{l}=0,\dots ,\pm (l-1),\pm l} パウリの排他原理によれば「四つの量子数(n, l, ml, ms)で決まる一つの量子状態にはただ一つの電子しか入ることができない」。これは一般に半整数スピンのフェルミ粒子(電子など)には当てはまるが、整数スピンのボーズ粒子(光子など)には当てはまらない。 フントの規則によれば「電子は1つずつ等エネルギーで磁気量子数mlが異なる別々の軌道に同じ電子スピン磁気量子数msをとりながら配置されていく」。
※この「1粒子系」の解説は、「量子数」の解説の一部です。
「1粒子系」を含む「量子数」の記事については、「量子数」の概要を参照ください。
- 1粒子系のページへのリンク