1次側レギュレーション (PSR: Primary-Side Regulation)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:24 UTC 版)
「スイッチング電源」の記事における「1次側レギュレーション (PSR: Primary-Side Regulation)」の解説
フライバックコンバータは、トランスにギャップを設ける必要があるためにEMIノイズが大きい、他の方式と比べて電力変換効率が悪い、負荷変動に対する追従速度が遅い、大きな電力を取り出す用途に向かない、等の欠点がある一方で、2次側チョークコイルを省略できるために他の方式より部品点数が少なく済む、入力電圧の幅を広く取れる、という大きなメリットがある。入力電圧の幅を広く取れる、ということは、スイッチ等を用いずに単体で 100V - 220Vの幅広い入力電圧に対応が可能である。このため、単一のフライバックコンバータ機器に差し込みプラグを変換するだけで、全世界の殆どの商用電源に対応可能である機器が多い。 低価格なフライバックコンバータの部品の中で数少ないコスト高の要因であるフォトカプラを省略するため、トランスにPWMコントローラに給電する3次巻線を設け、この3次巻線の電圧を検出することで2次巻線の電圧を制御する、PSRが普及している。 2018年現在、LED電源や携帯電話の充電器用途等に、PSRを用いたMOSFETスイッチ内蔵IC を用いたACアダプタが多数生産され、市場に流通している。 PSR自体はフォワード型でも実現可能ではあるが、低コストで小規模電源を実現するという目的から、市場に流通するPSR採用ICの殆どがフライバックコンバータ用途のものである。
※この「1次側レギュレーション (PSR: Primary-Side Regulation)」の解説は、「スイッチング電源」の解説の一部です。
「1次側レギュレーション (PSR: Primary-Side Regulation)」を含む「スイッチング電源」の記事については、「スイッチング電源」の概要を参照ください。
- 1次側レギュレーションのページへのリンク