1日1回療法
【概要】HIV治療は症状がなくても長期間続けなければならない気の長い療養生活である。治療に失敗しないためにはアドヒアランスの維持が大切。しかし、1回に飲むピル数が多い、1日に何回も飲む、薬によって食事制限がある、飲む時間が決まっている、忙しさや生活サイクルのずれで飲み忘れ、薬の味や臭いが悪い、不愉快な副作用があるなど、きちんと飲めない(アドヒアランス低下)要因は多い。 このような点を克服するために、効果を保ちながら1日1回服用が可能な薬が沢山登場し、組み合わせのオプションが増えてきた。これらの薬自体か、リトナビルによるブースト効果によって、血中あるいは細胞内に長く有効濃度を保てるようになっている。1日2回でも飲みやすい組み合わせがあるが、最近、初めて治療を開始する患者では、1日1回療法を選ぶ人がほとんどである。
【詳しく】 1日1回服用が可能な薬としては、EFV、ddI-EC、3TC、ABC、FTC、TDF、ATV/RTV、FPV/RTV、LPV/RTVがあり、これらの中から併用効果がある組み合わせから選ぶことになる。比較検討する内容は、副作用の問題と、食事・睡眠といった生活サイクルになる。なお1日1回の薬を飲み忘れると、服薬間隔が広がりすぎて濃度が下がる心配がある。服薬支援としては、色々な場合を想定して準備や対処法を決めておく必要がある。

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