にちじょうげんご‐がくは〔ニチジヤウゲンゴ‐〕【日常言語学派】
読み方:にちじょうげんごがくは
日常言語学派
日常言語学派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 20:04 UTC 版)
第4の流れは、『論理哲学論考』からもその後のウィトゲンシュタインの哲学的発展からもかなり独立した、英オックスフォード大学の哲学者J.L.オースティン (J.L.Austin) に始まる日常言語学派の流れである。オースティンは、日常言語が記述のほかに命令・嘆願・命名・疑問等さまざまな使用タイプがあることに注目(『言語と行為 "How to Do Things with Words"』)し、これらの詳細な分析に基づいて哲学的問題の解決を目指した。特に、言語を使用しながらなにかの行為を行う(たとえば、裁判官が判決文を読み上げることによって〈判決を下す〉という行為がなされる)言語行為 (speech act) に注目した。これらの諸機能は後にサール(John R. Searle 米)によって、より形式的・組織的に分類が行われる(『言語行為 ("Speech Acts")』他)。 また、ウィトゲンシュタインともオースティンとも独自に、日常言語に即して哲学的行動主義を展開し、また範疇間違い (category mistake)という事象(ケンブリッジの各校舎を案内されながら「で、大学はどこですか?」と問う人が犯しているような、抽象的対象の範疇と観察可能な対象の範疇との取り違えなどの範疇の誤りを指す)の問題点を指摘したギルバート・ライル(Gilbert Ryle,主著『心の概念(“The Concept of Mind”)』)も、日常言語に依拠したタイプの初期の重要な分析哲学者だった。
※この「日常言語学派」の解説は、「言語哲学」の解説の一部です。
「日常言語学派」を含む「言語哲学」の記事については、「言語哲学」の概要を参照ください。
日常言語学派と同じ種類の言葉
- 日常言語学派のページへのリンク