龍窯の伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/09 03:43 UTC 版)
中国には、龍窯の由来にまつわる伝説がある。 太湖(江蘇省南部と浙江省北部の境にある湖)に、全身が真っ黒な竜の烏龍がいた。成長した烏龍は玉皇大帝から農業と降雨の管理を命ぜられ、太湖の水を飲んでは雨として地上に吐き出していた。ある日玉皇大帝が、太湖の西にある丁山と蜀山の付近の人々が天界に敬意を払わないことへの罰として、その地域への降雨を禁じた。しかし烏龍は、この地域の人々がひどい旱魃に苦しんでいることに胸を痛めて、禁を破って雨を降らせた。玉皇大帝は怒り、烏龍を罰するべく天兵天将を差し向けた。烏龍は彼らと戦ったが負傷して地上に落とされた。烏龍の遺体を見つけた人々は、烏龍が雨を降らせたことに感謝しつつ埋葬した。数年が経つと、埋葬場所にいくつもの洞窟が現れ、烏龍のなきがらが消えて地下に長い空洞が出来ていることがわかった。さらに、この空洞内で陶磁器を焼くと薪の量も時間も節約でき、かつ多量の製品を高品質で作れることもわかった。その後多くの陶磁器が生産されたことから、この地方は「烏龍窯」と呼ばれるようになり、多数造られた同様の形態の焼窯は「龍窯」と呼ばれるようになったという。
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