龍窯の窯体構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/09 03:43 UTC 版)
龍窯の窯体構造は、一番下の焚口のある窯頭、本体部分の窯室、煙出しのある窯尾に区分される。窯頭は丸くつくられて、中央よりやや下の部分に焚口が設けられている。さらにその下に窯の底面に密着して小さな通風孔が設けられ、火力を強くして薪などの燃料を十分に燃やすことができるよう工夫されている。窯室とは、素地の器を置く本体部分である。窯室の底には砂を敷いて、窯の底面を保護するとともに窯道具がやたらに動かないように固定した。唐の末期ころに匣鉢が出現し、窯室に素地を直接置けるように出入り口がつけられるようになった。窯の傾斜は8度から20度くらいであるが、漢代には、30度前後の傾斜をもつ窯が造られた。また、焼成に適した温度を維持するために窯の長さは長くて80mくらいまでが限度であり、50~60m以内のものがほとんどである。窯尾には、窯室内の温度を維持するため、ちいさい狭間孔だけが空けられて煙出し施設につながっている。煙突は基本的に不要であったが、後に煙突を設けるものも現れた。
※この「龍窯の窯体構造」の解説は、「龍窯」の解説の一部です。
「龍窯の窯体構造」を含む「龍窯」の記事については、「龍窯」の概要を参照ください。
- 龍窯の窯体構造のページへのリンク