黒海の荒らし
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「ペトロー・コナシェーヴィチ・サハイダーチュヌィイ」の記事における「黒海の荒らし」の解説
1607年に、サハイダーチュヌィイが率いるコサックは、オスマン帝国の属国クリミア汗国へ出陣し、当国のペレコープとオチャーキウ(ウクライナ語版)という2つの大きな都市を略奪した。さらに、1608年と1609年に、サハイダーチュヌィイが小型のチャイカ船から編成したコサック艦隊は、ドナウ川の川口に攻め入り、オスマン帝国のキリア城・アッケルマン城・イズマイール城を荒らした。1612年から1614年にかけてコサック艦隊はオスマン帝国の海岸を襲い続け、黒海でのオスマン帝国の軍艦・商船を次々に沈めていった。 1614年にサハイダーチュヌィイは、コサック軍の輸送官、それからコサック軍の大長官に選ばれ、コサック軍における本格的な軍事改革を行った。彼はコサックをゲリラ軍から正規軍に変改し、軍内での厳しい訓練と軍律を取り入れた。出陣中の飲酒は禁止され、軍律を犯したコサックは死罪と決められた。訓練は馬術より弓術・銃術・砲術が重んじられた。 同年にサハイダーチュヌィイのコサックは、アナトリア半島に位置するオスマン帝国の港湾都市スィノプを焼き払ったが、翌年にオスマン帝国の都イスタンブールの郊外に上陸し、オスマン帝国の黒海海軍の軍艦に火をつけてオスマンの海軍提督を捕虜した。予期せぬコサックの攻撃にオスマンのスルタンも驚き、トプカプ宮殿から郊外の火煙が見えたという。 1616年にサハイダーチュヌィイのコサック軍は大規模な軍事行動を行った。その年、コサックのチャイカ海軍はオスマン帝国のヴァルナとスィノプを襲い、オスマン帝国の新編成の黒海海軍を全滅させ、クリミア半島の最大の奴隷市場であるカッファ市に上陸した。コサックはカッファ市に総攻撃を掛けて1万4千人のオスマンの守備軍を破り、カッファにいた奴隷と捕虜の全員を解放した。コサックはその後もオスマン帝国の領土を荒らし続け、コサックの武勇はヨーロッパ全体で波紋を呼んだ。
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黒海の荒らし
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「ペトロー・コナシェーヴィチ・サハイダーチヌイ」の記事における「黒海の荒らし」の解説
1607年に、サハイダーチヌイが率いるコサックは、オスマン帝国の属国クリミア汗国へ出陣し、当国のペレコープとオチャーキウ(ウクライナ語版)という2つの大きな都市を略奪した。さらに、1608年と1609年に、サハイダーチヌイが小型のチャイカ船から編成したコサック艦隊は、ドナウ川の川口に攻め入り、オスマン帝国のキリア城・アッケルマン城・イズマイール城を荒らした。1612年から1614年にかけてコサック艦隊はオスマン帝国の海岸を襲い続け、黒海でのオスマン帝国の軍艦・商船を次々に沈めていった。 1614年にサハイダーチヌイは、コサック軍の輸送官、それからコサック軍の大長官に選ばれ、コサック軍における本格的な軍事改革を行った。彼はコサックをゲリラ軍から正規軍に変改し、軍内での厳しい訓練と軍律を取り入れた。出陣中の飲酒は禁止され、軍律を犯したコサックは死罪と決められた。訓練は馬術より弓術・銃術・砲術が重んじられた。 同年にサハイダーチヌイのコサックは、アナトリア半島に位置するオスマン帝国の港湾都市スィノプを焼き払ったが、翌年にオスマン帝国の都イスタンブールの郊外に上陸し、オスマン帝国の黒海海軍の軍艦に火をつけてオスマンの海軍提督を捕虜した。予期せぬコサックの攻撃にオスマンのスルタンも驚き、トプカプ宮殿から郊外の火煙が見えたという。 1616年にサハイダーチヌイのコサック軍は大規模な軍事行動を行った。その年、コサックのチャイカ海軍はオスマン帝国のヴァルナとスィノプを襲い、オスマン帝国の新編成の黒海海軍を全滅させ、クリミア半島の最大の奴隷市場であるカッファ市に上陸した。コサックはカッファ市に総攻撃を掛けて1万4千人のオスマンの守備軍を破り、カッファにいた奴隷と捕虜の全員を解放した。コサックはその後もオスマン帝国の領土を荒らし続け、コサックの武勇はヨーロッパ全体で波紋を呼んだ。
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