黒曜石の産地同定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 01:38 UTC 版)
「コリン・レンフルー」の記事における「黒曜石の産地同定」の解説
「天然ガラス」とも称されることの多い黒曜石は一般に産地ごとの化学的組成が均質であることから、その化学組成に特徴がある場合、遺跡出土の黒曜石製石器の化学組成を原産地ごとのそれと比較することによって産地を特定することが可能となっている。肉眼観察の限界を超えた理化学的分析法もいくつか開発されており、しかも産地の分布は地域的に限定されているため、こんにちでは黒曜石は、考古学的な産地同定にとって理想的な石材とみなされる。 1960年代、レンフルーはJ.R.キャンやディクソンとともにアナトリアのネムルト山やヴァン湖付近い産出する黒曜石の分析に取り組み、その成果を1966年、1968年に発表した。1964年、J.R.キャンとレンフルーは、黒曜石の化学的性質の差異に着目し、これを用いて文化交流を跡づける画期的な方法論を提示した。これによって、材質分析や産地同定のみならず、遺跡や地域における使用石材の組み合わせ、さらには運搬や交換システムの研究が飛躍的に進展し、従来、遺物からは解き明かすことの難しい領域であった先史時代の交易にかかわる研究に道をひらいた。
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