鵞鳥に乗る魔女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:25 UTC 版)
オールド・マザー・グース 左:19世紀のスタッフォードシャーで量産されていた、鵞鳥に乗ったマザー・グースなる人物の磁器人形。右:ディブディン脚本のパントマイムのチャップブック。1860年代。 伝説上の人物としてのマザー・グースは、鵞鳥(がちょう、domestic goose)もしくは家鴨(あひる)の背に乗ってどこへでも自由に飛んでゆく老婆あるいは魔女として描かれている。このような如何にも老婆で魔女めいたマザー・グースは「オールド・マザー・グース (Old Mother Goose)」と呼ばれることもある。 オールド・マザー・グースというキャラクターは、1806年、ロンドンにあるドゥルリー・レインの王立劇場「ドゥルリーレイン・シアター・ロイヤル(英語版)」で初演されたトマス・ディブディン(英語版)脚本によるパントマイム『ハーレクィンとマザー・グース、あるいは黄金のたまご(原題:Harlequin and Mother Goose, or The Golden Egg )』で初めて描写され、この劇が成功したことによって定着したものである。右列に示した画像は、"Harlequin and Mother Goose, or The Golden Egg" のチャップブックとして1860年代に刊行された "Old Mother Goose and the Golden Egg" で、タイトルに冠されているのと同様、表紙にはオールド・マザー・グースの典型的イメージが大きく描かれている。 ダン・レノ(英語版)は、ヴィクトリア朝時代後期における大英帝国の音楽ホールを代表するコメディアンでミュージカルシアターの俳優であるが、オールド・マザー・グースとはまた違った人物としてのマザー・グースを多く演じたことでもよく知られている。 「ヨーロッパの神話伝承やフォークロアに詳しい中世フランス文学の専門家」フィリップ・ヴァルテールは、「「雁おばさん」(英語名マザー・グース)や「ペドーク女王」(雁足の女王)に代表される…「鳥女」…は、ケルトの神話伝承の要である大女神を淵源としている」と論じている(渡邉浩司・渡邉裕美子)。
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