魚獲祭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:10 UTC 版)
サアロア族の伝統で、居住しているエリアにある川は、氏族集団によって管理されている。例えば、荖濃渓という川は、Tumamalikisasʉ(漢語苗字:余)、Hlaiputana(漢語苗字:余)、Iiangʉana(漢語苗字:鄧)、Tumahlahlasʉnga(漢語苗字:廖)この4つの氏族集団に管理され、一方、炳才渓はSalapuana(漢語苗字:石)、Savangʉana(漢語苗字:游)、Mu’uana(漢語苗字:尤)この3つの氏族集団に管理される。 魚獲祭(Tumatuhlucu)は、アワ(粟)の生育期間に、男性長老が各氏族の男子たちを率いて、管理される川で行う。先ず、川縁で、神様に酒、餅、豚肉を捧げ、感謝を表し、儀式をする。長老は青年たちに人生訓を説いたうえで、魚獲りの役割分担をする。長老は毒性がある植物である「魚藤」を集めて石で搗き、汁を川に流す。やがて毒気で水中の魚が次々と気を失うため、青年らは下流に集い、流れてきた魚を銛や網で捕える。長老はクワズイモの葉を皿として獲った魚を置き、各氏族に同量で配る。最後に「葛藤」という植物を搗き潰し、その汁を「解毒剤」として川に流せば、麻痺していた魚が蘇るという。 魚獲祭について、守らなければいけない忌みと規則: 1.儀式中、くしゃみと放屁の禁止。 2.漁具は一切屋内に持ちこんではならない。 3.魚獲祭で獲った魚は屋内で料理して食べてはならない。必ず屋外で料理して食べる。 4.魚獲祭で獲って帰った魚を盛る食器は別に用意する。普段使いの食器と混用してはいけない。
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