鬼籍などの登場する物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/03 14:04 UTC 版)
寿命が尽き亡くなった者の姓名が記されているが、同姓同名の人間が似た土地、近い土地などに存在していたために冥府側で書類の不備が起き、本来の寿命とは違う人間が亡くなってしまったという内容の物語や説話が、中国や平安時代以後の日本の説話集などに見ることが出来る。誤って亡くなってしまった人間の鬼(たましい)は、遺体が処理されてしまうなどして蘇生することが出来ず、本来亡くなるはずであった人間(手続きがきちんとなされてこちらのたましいは冥府へ連れてゆかれる)の体に入って蘇生をし、自分の家へ戻ったり、その家族たちの間で騒ぎが起こったりするのが主な展開である。また、同姓同名による手違いではなく、自然発生的な不意の要因(事故や疫病など)で書類上の寿命よりも早い段階で亡くなってしまった者も、書類が優先されて現世へ帰されることになるが、同じく蘇生するための体が存在しなく、手ごろな遺体にたましいをうつされてしまう物語も多く残されている。 中国の小説『西遊記』第3回では、冥府にある書類として生死簿が登場しており、人間だけではなくあらゆる生物(十類)の寿命が書かれているとされ、孫悟空は自分の寿命が記されている箇所を墨で抹消して無効にし、不死の体を得ている。
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