骨董品の真贋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 22:38 UTC 版)
テレビショーで骨董品の真贋が取りざたされることがあるように、骨董はその偽物、いわゆる贋作の問題と切り離すことができない。 ある骨董品が、手間を掛けて複製した場合の費用と比べて著しく高価なプレミア性を生んでいる場合、そこには不正な利益を得ようとする商品がまぎれ込む可能性が高い。そうした真贋の見定めのために存在するのが骨董屋という職業であるが、高度な技術をもって偽造されたものは非常に巧妙で、専門家の目すら欺く例も少なくない。かつては骨董屋どうしで、相手の技量を測る目的でそうした贋作を取引することもあったと言われている。経験の足りない骨董屋はまんまと贋作をつかまされ、場合によってはそれがそのまま本物として市場に流出した。 一方で、市井の骨董市で見るような安価な骨董品の場合は、製作する手間が利益に見合わないことを考慮すれば、高い技巧を持った偽物はそれほど多くないと考えられる。むしろ、不確かな鑑定によった偽造品や、簡単な化学処理や染色などを施して実際より古いものに見せかけたり、無名作家の作品に有名作者の署名や落款を入れたりした物がまぎれている可能性が高い。仮に鑑定書があっても、贋作を真作に見せるための道具の可能性もある。 こうした贋作をつかまされないためには、当然ながら、買おうとしている作家の流派や傾向について日頃から勉強し、少しでも多く実際の作品に触れて、何が優れているのかを理解することが肝要である。また、その作家の作品の売買相場を把握していれば、これを大きく下回ったり大きな値切りに応じるような商品は危険であると察知することができる。「掘り出し物」などというものは、自身の知識と眼力が売り手よりよほど上回っていなければ出てくるものではない。
※この「骨董品の真贋」の解説は、「骨董品」の解説の一部です。
「骨董品の真贋」を含む「骨董品」の記事については、「骨董品」の概要を参照ください。
- 骨董品の真贋のページへのリンク