食物依存性運動誘発アナフィラキシー
別名:食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
英語:Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis、FDEIA
食物アレルギーのうち、運動することが刺激となりアナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応を誘発するもの。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、アレルギー源を含む食べ物を食べて間もないうちに比較的激しい運動をすることで誘発される。症状は皮膚の痒みやじんましんをはじめ、あるいは呼吸困難や意識障害などの命に関わる症状に至る場合も少なくないとされる。
アレルギー源となる食物としては小麦、エビやカニなどの甲殻類、蕎麦、ナッツ類などがある。対策としては、アレルギー源となる食物を摂取させないこと、食後数時間は激しい運動を制限するように努めることなどが主となる。基本的に罹患者の行動は大きく制限される。
2010年10月に厚生労働省が注意喚起を行った「加水分解コムギ末を含有する医薬部外品・化粧品の使用上の注意事項等」では、加水分解コムギ末を含む製品の使用者に、小麦をアレルギー源として食物依存性運動誘発アナフィラキシーを発する事例が複数報告されている。日本アレルギー学界は、2011年11月に「茶のしずく石鹸」(旧製品)に含まれていた加水分解コムギ「グルパール19S」が発症の原因である旨の見方を示している。
関連サイト:
運動誘発アナフィラキシーおよび食物依存性運動誘発アナフィラキシー - アナフィラキシー対策フォーラム
食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/05 14:27 UTC 版)
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(しょくもついぞんせいうんどうゆうはつアナフィラキシー、FDEIA:Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis)は、アスピリン薬剤・食物・運動の複合要因でアレルギー反応を起こす病態である。小、中、高校生の1万人に1人程度の割合で発生しているとのこと(2006年調査)で、頻度は低くない。
原因
原因食物として小麦、エビ、果物が多い。特定食物摂取後、2 - 3時間後に運動するなどで生じ、アスピリン製剤の使用により誘発されやすくなる。小麦の場合はω-グリアジン・高分子量グルテニン等が原因となっている報告がある。
日本では、FDEIAの原因として小麦が62%、甲殻類28%を占める[1]。果物・牛乳は1%、魚は2%、蕎麦は3%といわれる。
検査
専門機関にて、摂食後運動負荷をおこなうチャレンジテストのみが確診につながるが、危険を伴う。
治療
予防としては原因食物を摂取しない、原因食物を摂取した場合は約3時間以上運動をしないといったことが知られている。
脚注
- ^ 海老澤元宏ほか監修:食物アレルギー診療ガイドライン2021,協和企画,2021,194-202
参考文献
- Harada S, Horikawa T, Icihashi M,"A study of food-dependent exercise-induced anaphylaxis by analyzing the Japanese cases reported in the literature," Arerugi, 2000 Nov;49(11):1066-73. [1], [2]
- Kozai H, Yano H, Kato Y,"Wheat Protein as an Allergen : Wheat-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis," Kawasaki medical welfare journal, 2006;16(1):11-19 [3]
関連項目
固有名詞の分類
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