類体論の一般化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:30 UTC 版)
3つの主要な一般化があり、それぞれが非常に興味深い。 ラングランズ・プログラム、遠アーベル幾何学、および高次類体論である。 数論における一つの自然な展開は、大域体の(アーベルとは限らない)一般のガロワ拡大に対する情報を与える非可換類体論の構成と理解を行うことである。ラングランズ対応が非可換類体論と見做されることが多く、そして実際にラングランズ対応が確立されたときには大域体の非可換ガロワ拡大に関する非常に豊かな理論を含むことになるのだが、しかしラングランズ対応はアーベル拡大の場合の類体論が持っていた有限次ガロワ拡大についての数論的情報のほとんどを含んでいないのである。しかもラングランズ対応は類体論の存在定理に対応するものも含んでいない、即ち、ラングランズ対応における類体の概念は存在しないのである。局所および大域の非可換類体論はいくつか存在し、それらはラングランズ対応の観点に対する別の選択肢を与えてくれる。 類体論のもう1つの一般化は遠アーベル幾何学であり、完全な絶対ガロア群または代数的基本群(英語版)(Algebraic fundamental group)の情報から元のオブジェクト(たとえば、数体またはその上の双曲線)を復元するアルゴリズムを研究するものである。 もう1つ、数論幾何における自然な展開は、高次局所体および高次大域体のアーベル拡大を構成及び理解することである。後者の高次大域体は、整数環上の有限型スキームの函数体およびその適当な局所化や完備化として生じる。「高次局所および大域類体論」は代数的 K-理論や、一次元類体論で用いられる K1 の代わりに適当なミルナー K-群を用いる。高次局所および大域類体論は、A. パーシン、加藤和也、イヴァン・フェセンコ、スペンサー・ブロック、斎藤秀司らの数学者が展開した。代数的 K-理論を用いずに高次大域類体論を展開しようとする試みもある (G. Wiesend) が、このやり方は高次局所類体論を含むものではなく、また局所理論と大域理論との間に互換性がない。
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