類似の群など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/17 09:41 UTC 版)
二叉分枝を繰り返す小胞子嚢柄の先端に少数の胞子を含む小胞子濃をつける、という点でよく似たものにエダケカビ属 Thamnidium がある。本種は当初はこの属のものとして記載された。これを別属と見なし、本属を記載したBenny & Benjamin(1975)によると、以下の点での違いが重要だという。エダケカビでは胞子嚢柄はその主軸が分枝することなく、主軸の側面に出る二叉分枝する枝には小胞子嚢をつける一方、主軸の先端には大型の胞子嚢をつける。ただし大型の胞子嚢はつけない場合もあるが、本属のもののように主軸が仮軸状に分枝して、それぞれの先端に小胞子嚢の群をつける、というものとは多分に性質が違う。またエダケカビの主軸が剛直であるのに対して、本属のそれはより軟弱なものである。 小胞子嚢を二叉分枝する小胞子嚢枝につける、というものには、他にサムノスチルム属 Thamnostylum の1つ、T. repens があるが、この種では主軸先端に大きい胞子嚢をつけるほか、匍匐菌糸を伸ばすなど多くの違いがある。 他方、全然形態的に異なるものでありながら似て見えるものにトリモチカビ目のエダカビ Piptocephalis がある。エダカビは細長く普通は分枝しない主軸の先端が繰り返し二叉、あるいは三叉分枝し、その枝の先端に普通は小さな頂嚢の表面に細長い分節胞子嚢を多数並べ、その形は針山のようなものである。つまり、二叉分枝以外には共通点がないのだが、この属のものの一定数では多数の分節胞子嚢が1つの液滴に包まれてしまう(wet spore)。すると細かく分かれた枝先に丸い水滴がついているという姿になり、さらに分節胞子嚢が成熟してばらばらになるとまるで丸い胞子の塊が先端についているような姿になる。また主軸の形は糞上に多数のカビが伸びた姿では見分けにくく、二叉分枝の部分だけが目立つことになる。こうなると本属のものとこの属のものはひどく似た姿となる。 なお、E. anomalus に見られるように基質内菌糸、基質上菌糸の両方に多数の厚膜胞子を作ることもケカビ目では他に見られない特徴であるという。
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