顕微鏡におけるアッベ回折限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 08:57 UTC 版)
「回折限界」の記事における「顕微鏡におけるアッベ回折限界」の解説
顕微鏡のサブ波長構造の観察はアッベ回折限界により難しい。1873年にエルンスト・アッベは通る媒質の屈折率がn、像へ半角 θ {\displaystyle \theta } で集まる波長λの光は下に示す半径の像を作ることを発見した。 d = λ 2 n sin θ = λ 2 N A {\displaystyle d={\frac {\lambda }{2n\sin \theta }}={\frac {\lambda }{2\mathrm {NA} }}} 分母の n sin θ {\displaystyle n\sin \theta } は開口数(NA)と言われ現代の光学ではおよそ1.4–1.6に達しアッベ限界はd = λ/2.8である。500 nmあたりの緑色光およびNAを1と仮定すると、アッベ限界はおおよそd = λ/2 = 250 nm (0.25 μm)であり、ほとんどの生物細胞(1 μm から 100 μm)よりも小さく、ウイルス(100 nm)、タンパク質(10 nm)、あまり複雑ではない分子(1 nm)よりは大きい。解像度を上げるために紫外線およびX線顕微鏡のような短い波長を使うことができる。これらの技術は解像度は良いが高価であり、生物サンプルのコントラスト不足やサンプル損傷の可能性といった問題点がある。
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