頚椎X線撮影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/23 04:58 UTC 版)
配列、骨の状態(骨折、骨粗鬆症、骨萎縮、骨破壊、骨硬化、骨透亮、溶骨変化など)、脊柱管の狭窄、椎間板の狭小化、靭帯付着の変化、軟部組織の腫脹に注意する。正面像では脊柱配列とルシュカ関節の形状に注意する。脊柱配列では側湾変形や頚椎の傾きに関して評価する。正常では椎体外側に斜方向の関節裂隙がみえる。変形するとルシュカ関節辺縁から横方向へ伸びる骨棘が出現する。側面像では脊柱配列、椎体終板の骨硬化、椎体前縁または後縁の骨棘、脊柱管の前後径、椎間板腔の高さ、前縦靭帯や後縦靱帯の骨化、後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化の有無を確認する。脊柱配列としては頚椎は生理的に前に湾曲しているため、生理的前湾の消失がないかS字型変形がないか、すべりがないかを確認する。脊柱管前後径は脊柱管の広さの指標であり正常は14mm以上である。後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化は頚椎前方の膿瘍形成や外傷による血腫、浮腫によって拡大する。前後屈側面像では主に頚椎の安定を評価する。環軸歯突起間距離は関節リウマチや外傷で環軸椎亜脱臼を生じた場合に前屈位で開大する。正常は3mm以下である。また不安定性がある場合は前後屈時の上位椎体後下縁と下位椎弓前上縁を測定する。測定値が12mm以下ならば動的狭窄となる。両斜位像では椎間孔の狭小化を確認する。開口位正面像では歯突起骨折や環軸椎回旋位固定の時に撮影する。
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