非公式判例集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/08 18:25 UTC 版)
最近20年にわたり、「フィリピン判例集」は製作上の問題を抱えていたため、発行時期が大幅に遅れる事態に陥っていた。その結果として、民間の出版社である「Central Professional Books」(中央専門書)社が発行する「Supreme Court Reports Annotated(SCRA)」(注釈最高裁判所判例集)が裁判所すらも含めて、広く使われるようになった。刊行済みのSCRAの巻数は、現時点で600を超えている。SCRAに基づく適切な引用方式は、以下のようなものである。 Fortich v. Corona, G.R. No. 131457, 24 April 1998, 289 SCRA 624 「Fortich v. Corona」は、事件名である。 「G.R. No. 131457」は、事件が裁判所に申し立てられた時に最高裁判所が付した「docket number」(ドケット番号(事件簿番号))である。 「24 April 1998」は、当該事件の裁判がなされた年月日である。 「289」は、当該判例が掲載されている注釈最高裁判所判例集の巻数である。 「SCRA」は、注釈最高裁判所判例集の標準的な略称である。 「624」は、注釈最高裁判所判例集における当該判例の掲載開始頁である。コンマの後に別の頁数が記載されている場合(例えば、「289 SCRA 624, 627」)、後者は注釈が掲載されている頁を示している。 フィリピン判例集に掲載されている判例であれば、SCRAではなく公式判例集であるフィリピン判例集から引用することが望ましいとされているものの、フィリピン判例集の定期刊行が遅れていることから、SCRAによって引用すること自体は容認されている。もっとも、フィリピン判例集とSCRAのいずれにも掲載されていない判例の場合、上記の(SCRAの)引用方式によりながらもSCRA自体は引用してこないという方法をとるべきとされている(上記の例だと、次のような形になる。「Fortich v. Corona, G.R. No. 131457, 24 April 1988」)
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