せいおう‐しきかくいじょう〔セイワウシキカクイジヤウ〕【青黄色覚異常】
青黄色覚異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 17:20 UTC 版)
錐体神経のうち、青錐体(S錐体)系の異常(第3色覚異常)により発生する。先天的な青黄色覚異常は非常にまれである。正常色覚者でも青錐体の数は少なく、そこからの情報は補助的にしか利用していないため、生活上の不便はまったくといっていいほどなく、本人も周囲の者も気づかないことがほとんどである。学校でかつて全員に行われていた色覚検査でも赤緑色覚異常の検出に主眼を置いていたため、発見される機会も少なかった。 強度の青黄色覚異常の場合、かすかに緑がかった黄色と青紫色が中性点(無彩色に見える点)となる。しかし、赤緑色覚異常での中性点(大雑把に赤と緑だが、厳密には第1色覚と第2色覚で微妙に異なる)が、日常的に同明度で区別を要する状況が頻出するのに対し、黄色と青紫が同明度で使われることはまずあり得ない(同明度の黄色と青紫は、一般的にいう黄土色と藤色の関係であり、普通の黄色と青紫では白と黒ほど明度が違って見えるため区別できないことは事実上ない)。また、緑と青の区別も難しいが、正常者でも青と緑は区別しない傾向にあるため、周囲の者も気づかないというだけである。逆に赤緑色覚異常の者にとっては、青と緑はまったく違う色に見え、正常者が区別しない傾向にあることを不思議に感じることが多い。逆に言えば、「正常色覚」は青と緑の判別力が相対的に弱いといえる。また、青黄色覚異常の人は、赤から緑にかけての色の識別は問題ないものの、緑から青にかけての色の識別は正常色覚よりも劣る。「青」錐体が欠損しているため波長410nm前後の光を吸収できず、厳密には紫みを帯びた青は黒く見え、黄色は白く見えるようになる。
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