集学的医療について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:27 UTC 版)
上記のように髄芽腫は手術、放射線、化学療法を用いた集学的医療)が必要とされる。また、病理検査も難しく、内分泌の後遺障害が残ることもあり、長期間にわたる経過観察も必要となる。したがって、脳外科医、放射線科医、小児科医、病理専門医、小児内分泌科医が存在していることが最低限必要であり、かつそれぞれが高度のレベルを有していることが求められる。 また、最近では、高リスク群に対して化学療法を限界まで強化するというのが世界的傾向であり、白血病の移植治療などで、十分な大量化学療法等の経験をつんだ小児血液腫瘍内科医がいない施設では、満足な治療選択を行うことができない。リハビリテーション、眼科や耳鼻科、歯科の診察が必要となることもある。 しかも、各科の医師が存在するだけでは不十分であり、各科が真に連携していることが求められる。医療の縦割りによる各科の壁があるようでは、満足な治療を受けることができない。日本では、いまだ脳外科医と放射線医が中心となって小児脳腫瘍の治療を行っており、手術と放射線に偏向した傾向があり、中には髄芽腫に対して化学療法すら行わないという悲惨な事例が散見される。このような治療では、質の高い生存は望むべくもない。 それ以外にも、長期間の入院が必要となることから、院内学級の存在、親が長期間宿泊できる施設、ボランティアスタッフなどによる援助、心理的支援など、求められる条件は限りがない。
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