階層的文章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/08/08 09:00 UTC 版)
長い文章をおこす際、最初におおまかな構成を決めた上で細部の記述を順次追加していくという技法は有用な手段の一つである。この技法はコンピュータにおけるアウトラインプロセッサと親和性が高く、究極的には単語のひとつひとつに注釈をつけたり、注釈にまた別の注釈をつけたりという文章をつくることすらも容易に可能である。小田嶋隆はパソコンを用いて次のような文を考案している。丸括弧を多用しているが、蛇足な修飾部分をのぞけば「オレはたまねぎが嫌いだ」という骨格が残る。小田嶋自身、このような文章を表現技法として好んで使用しているという。 オレ(という一人称を使う時、オレは嘘をつかない)は、たまねぎ(そう、あの臭くて、いやな歯ざわり(半生のやつを噛むと、「カオッ」っていう音がするんだが、オレはその音(「かおっ」のことだ)をもたらすような歯ざわりが嫌いなのだ)を持った再帰的無限構造野菜(ラッキョと猿の寓話 - 猿のせんずりを想起せよ))が嫌い(「嫌い」は「好き」に比べて純粋だ。なぜなら「嫌い」が生理であるのに対して、「好き」は感情に過ぎないからだ)だ」 — 小田嶋隆, パソコンによる“玉ねぎ文章”のすすめ
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