階層的シークエンシング法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 16:22 UTC 版)
「ゲノムライブラリー」の記事における「階層的シークエンシング法」の解説
ゲノムライブラリーの主要な用途の一つは、階層的ショットガン・シークエンシングである。これはトップダウン、マップベース、またはクローン・バイ・クローン・シークエンシングとも呼ばれている。この手法は、ハイスループット技術が利用可能になる前の1980年代に、全ゲノムの配列決定のために開発された。ゲノムライブラリーからの個々のクローンは、通常500 bpから1000 bpの小さなフラグメントにせん断することができ、シークエンシング処理がより管理しやすくなる。ゲノムライブラリーからのクローンが配列決定されると、その配列を使用して、配列決定されたクローンと重畳するインサートをもつ他のクローンのためにライブラリーをスクリーニングすることができる。重なり合ったクローンの配列決定をして、コンティグ(配列断片群)を形成することができる。染色体ウォーキング(英語版)と呼ばれるこの技術を利用して、染色体全体を配列決定することができる。 全ゲノム・ショットガン・シークエンシングは、高容量ベクターのライブラリーを必要としない、もう一つのゲノムシークエンシング方法である。この方法では、コンピュータアルゴリズムを使用して、ゲノム全体をカバーするように短鎖シークエンスリードを組み立てる。このような理由から、ゲノムライブラリーは、全ゲノム・ショットガン・シークエンシングと組み合わせて使用されることがよくある。高分解能マップは、ゲノムライブラリー内の複数のクローンからのインサートの両端を配列決定することにより作成することができる。このマップは、既知の距離を隔てた配列を提供し、ショットガン・シークエンシングで取得したシークエンスリードの組み立てに役立つ。2003年に完全であると宣言されたヒトゲノム配列は、BACライブラリーとショットガン・シークエンシングの両方を用いて組み立てられた。
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