開発遅滞のメリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 02:10 UTC 版)
先行する多摩市域に大幅に遅れて開発が進んだことで、稲城市域の多摩ニュータウン開発は、多摩市域の先行事例の教訓を生かすことが可能になった。具体的には1977年に開始された「多摩ニュータウン環境計画」による先行事例の課題調査の結果を踏まえ、以下のような特徴を持つ地区としてデザインされた。 「緑の環」 稲城市は多摩川から米軍多摩サービス補助施設、多摩カントリークラブ、坂浜・平尾地区、読売カントリークラブ、南山(みなみやま)という緑地帯を市域のグランドデザインに設定していた。稲城市域の多摩ニュータウン計画を立案した日本都市総合研究所はこの「緑の環」構想を生かし、城山公園、稲城中央公園、上谷戸公園という大規模な緑地を残したデザインを行った。 生活環境軸 多摩ニュータウンの先行事例は徹底的な歩車分離デザインを採用していた。これは結果的に住民の住みやすさを減じ、ロードサイド店の普及とともに住民流出を招いてしまった。この反省を踏まえ、稲城市域では自家用車の利用にもある程度配慮したデザインが行われた。 カルチャーパス 同じく先行事例では小中学校が町はずれに立地しており、日常生活から分離してしまっているという反省があった。これを踏まえ、稲城市域では街区の中央に小学校や中学校を置き、周囲に歩行者専用道路を張り巡らせるというデザインを採用した。また向陽台地区では、集合住宅のうち、通り沿いの1階部分に店舗用の空間を持つ物件を設定したプラスワン住宅も建設されたが、こちらは目論みが外れ、店舗に活用される事例は全く見られない。
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