長谷川陽子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/24 03:37 UTC 版)
Yoko Hasegawa |
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生誕 | 1970年1月23日(55歳) |
出身地 | ![]() |
学歴 | シベリウス音楽院卒業 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | チェリスト |
担当楽器 | チェロ |
活動期間 | 1987年 - |
レーベル | ビクターエンタテインメント |
著名な家族 | |
事務所 | ジャパン・アーツ |
公式サイト | 長谷川陽子オフィシャルサイト |
長谷川 陽子(はせがわ ようこ、1970年〈昭和45年〉1月23日[1][注釈 1])は、東京都出身のチェロ奏者。日本チェロ協会の理事[注釈 2]。2022年(平成4年)にデビュー35周年を迎えた[3]。
略歴
1970年(昭和45年)1月23日に東京都で生誕[1][4][注釈 1]。9歳から桐朋学園大学音楽学部附属子供のための音楽教室で井上頼豊に師事し、1985年(昭和60年)には15歳で第54回・日本音楽コンクールのチェロ部門で第2位に入賞[5][6]。1986年(昭和61年)、NHK-FMのラジオ番組「ミュージックライフ」の新人演奏家が活躍するコーナー「フレッシュコンサート」、NHK特集3月21日放送回のドラマ『東京オン・ザ・シティ』に出演。
1987年(昭和62年)、音楽之友社主催「フレッシュ・アーティスト・シリーズ」にて高校3年でリサイタルのデビューを果たし、1988年(昭和63年)1月には小林研一郎が指揮する日本フィルハーモニー交響楽団のニューイヤー・コンサートにおいて協奏曲デビューを飾り、同年8月にも同交響楽団と再協演[5][7][8]。
桐朋女子高等学校音楽科を卒業後桐朋学園大学に進学し、大学1年生の1989年(平成元年)1月21日にビクター音楽産業よりリリースしたデビュー・アルバム『珠玉のチェロ名曲集』が同年5月、邦人女流チェリストとして初めてクラシック・ヒット・チャート第1位にランク入りし、ジュゼッペ・シノーポリのソリスト・オーディションに最年少で合格[1][5][9]。同年6月、日本テレビ『読響オーケストラハウス』に読売日本交響楽団と出演。同年、札幌交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団とも協演。ジュゼッペ・シノーポリのソリスト・オーディションに同じく合格したピアニストの伊藤京子、ヴァイオリニストの渡辺玲子と共に同年9月、JTクラシックコンサート「花開く3人の女流ソリスト」に出演。
同年10月より文化庁派遣在外研修員として1年間、フィンランドのシベリウス音楽院に留学してアルト・ノラスに師事[9]。1990年(平成2年)5月、ロンドンにてクリストファー・シーマンが指揮するフィルハーモニア管弦楽団とドヴォルザークのチェロ協奏曲などを録音。同年12月には、日本大学カザルスホールにて「パブロ・カザルスに捧げるチェロ連続リサイタル1990」に出演。
1991年(平成3年)1月、NHK交響楽団「若い芽のコンサート」に出演。同年1月から2月には、マレク・ヤノフスキが指揮するフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のソリストとして協演。
1992年(平成4年)2月、東京交響楽団定期演奏会に、同年4月にマンチェスターで行われる「チェロ国際フェスティヴァル」に師であるアルト・ノラスと出演。同年5月にシベリウス音楽院を首席で卒業して帰国。
日本の主要オーケストラと共演した他、ハンガリー放送交響楽団、ウィーン・コンツェルト・フェライン室内管弦楽団、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団など内外のオーケストラにソリストとして迎えられている。2006年(平成18年)NHK朝の連続テレビ小説『純情きらり』のテーマ曲や、2011年(平成23年)のNHK大河ドラマ『平清盛』のエンディング・テーマ曲の演奏などを担当[9]。
CDはビクターエンタテインメントより20枚以上発表している。第5弾のCD『コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ』は「文化庁芸術作品賞」「日本プロ音楽録音賞」などを受賞。『バッハ無伴奏チェロ組曲』(1999年)、チェロとアコーディオン版の『展覧会の絵』(2001年)が『レコード芸術』特選盤に選ばれた。
2005年(平成17年)5月22日、神戸ワールド記念ホールで開催された、第3回1000人のチェロ・コンサートにマエストロの1人として参加。
2015年(平成27年)より、桐朋学園大学音楽学部准教授。2025年(令和7年)4月より桐朋学園大学および同大学大学院教授[7]。
エピソード
両親ともアマチュアとしてヴァイオリンを教えていたが、あまり上手ではなく「ヴァイオリンっていうのは変な音がするから絶対嫌だ」と思っていたという[10]。父親は音楽評論家の長谷川武久[11][注釈 3]。父親はレコーディング関連の仕事もしており、家ではクラシックに限らず色々な音楽が流れていた。その中でチェロの音色を聴いて「これだったらいい音がする」と思い、チェロをやりたいと言い出したのがチェロを始めるきっかけであった[10]。2歳年上の姉はヴィオラ奏者の長谷川弥生[13]。
中学時代はチェッカーズの藤井フミヤの大ファンであった[10]。
クラシック演奏家としては珍しいファンクラブがある[14]。初期の頃はチェロ好き広場ひまわりというファンクラブがあり、会長を『がんが消えたーある自然治癒の記録』の著者でもある寺山心一翁が務めていた。
大の愛猫家。自身の出産・子育てと演奏活動の両立に悩んだ経験を活かし「0歳児とおでかけ応援プロジェクト」コンサートに企画段階から参加した。
主な受賞歴
- 1985年(昭和60年)
- 1986年(昭和61年)
- 蓼科高原音楽祭賞[1]
- 1987年(昭和62年)
- 第3回・アリオン賞審査員奨励賞
- 1988年(昭和63年)
- 村松賞[注釈 4]
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 第4回・ロストロポーヴィチ国際チェロコンクール(英語: Concours de violoncelle Rostropovitch)[注釈 6]
特別賞
- 1991年(平成3年)
- 2010年(平成22年)
書籍
出演
ラジオ
- おしゃべりクラシック(2001年4月 - 2002年3月、NHK-FM)- パーソナリティ[17]。渡辺徹との共演。
脚注
注釈
- ^ a b 橋口譲二の写真集『十七歳の地図』にも長谷川陽子が撮影されている。
- ^ 2014年(平成26年)4月1日に評議委員として就任[2]。
- ^ 1938年(昭和13年)2月21日生まれで早稲田大学法学部を1961年(昭和36年)に卒業し、編著書は『語り継ぐ斎藤秀雄のチェロ教育』『クァルテットのすべて』など[12]。
- ^ 今後の活躍が期待される若きアーティストに与えられる賞。
- ^ 霧島国際音楽祭には後に、2009年(平成21年)から2015年(平成27年)まで出演した。
- ^ ムスティスラフ・ロストロポーヴィチが1977年(昭和52年)に始めたコンクール。
- ^ 時事通信出版局は時事通信社の子会社。
出典
- ^ a b c d 「長谷川 陽子 はせがわ・ようこ」『音楽家人名事典』(第1版)日外アソシエーツ、1991年1月21日、481頁。ISBN 4-8169-1013-1。
- ^ 「新評議委員就任のご報告」(PDF)『日本チェロ協会会報誌 JCS News』第42号、日本チェロ協会、2014年8月29日、1頁、2025年8月23日閲覧。
- ^ “長谷川 陽子 Yoko Hasegawa プロフィール”. ジャパン・アーツ. 2025年8月23日閲覧。
- ^ ジャパン・アーツ [@japan_arts]「1月23日はチェリスト 長谷川陽子のお誕生日」2024年1月23日。X(旧Twitter)より2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c “番組ファンから~チェリスト 長谷川陽子さん”. ららら♪クラブ. venusact (2018年9月19日). 2025年8月23日閲覧。
- ^ a b “入賞者一覧 第51~60回”. 日本音楽コンクール. 2025年8月23日閲覧。
- ^ a b “教員 長谷川 陽子”. 桐朋学園音楽部門. 2025年8月23日閲覧。
- ^ “デビュー35周年記念 ベートーヴェン チェロ・ソナタ全曲演奏会 長谷川陽子 チェロ・リサイタル”. ジャパン・アーツ (2022年5月19日). 2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c “教員プロフィール 長谷川陽子(はせがわようこ)”. 桐朋学園音楽部門. 2025年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
- ^ a b c “長谷川陽子の藤井フミヤインタビュー”. ECLIPSE. デンソーテン. 2025年8月23日閲覧。
- ^ 「音楽評論家の長谷川武久さん死去」『朝日新聞』2008年6月30日。2025年8月24日閲覧。
- ^ 「長谷川 武久 はせがわ・たけひさ」『音楽家人名事典』(第1版)日外アソシエーツ、1991年1月21日、480頁。 ISBN 4-8169-1013-1。
- ^ a b “第9回 齋藤秀雄メモリアル基金賞”. ソニー音楽財団 (2010年10月19日). 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
- ^ “ファンクラブ ひまわり”. 長谷川陽子オフィシャルサイト. 2025年8月23日閲覧。
- ^ 「特集 雄大な自然と情熱の響き第32回霧島国際音楽祭2011」(PDF)『グラフかごしま』第483号、鹿児島県、2011年7月1日、10頁、2025年8月23日閲覧。
- ^ 長谷川陽子『チェロの森』時事通信出版局、2010年11月10日。 ISBN 9784788710689 。2025年8月23日閲覧。
- ^ “長谷川陽子チェロ・リサイタル”. MIN-ON. 民主音楽協会 (2004年7月2日). 2024年4月18日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 長谷川 陽子 - ジャパン・アーツ
- 長谷川 陽子(チェロ) - ビクターエンタテインメント
- 長谷川陽子&ひまわり事務局 (@yoko_vc) - X
- 長谷川陽子 (@yokohasegawa_vc) - Instagram
- 長谷川陽子とチェロ好き広場 “ひまわり” (yokohasegawahimawari) - Facebook
- Cellist Yoko Hasegawa Official Blog - Ameba Blog - ※2023年6月16日まで。
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