長期増強の調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 13:37 UTC 版)
現在考えられている長期増強の調節因子調節因子標的β-アドレナリン受容体 cAMP, MAPK 一酸化窒素合成酵素 グアニルシクラーゼ, PKG, NMDAR ドーパミン受容体 cAMP, MAPK 代謝型グルタミン酸受容体 PKC, MAPK 前述の通り、長期増強に関わる分子はメディエーターと調節因子に分けられる。長期増強のメディエーターはNMDA型グルタミン酸受容体やカルシウムのような、その分子の存在や活性がほとんどすべての条件において長期増強に必要な分子のことである。一方、調節因子は長期増強に影響を与えるが、長期増強の発生や変化には必要ではない分子である。 上で示したシグナリング経路に加えて、海馬の長期増強は多くの調節因子の影響を受ける。例えば、ステロイドホルモンのエストラジオールはCREBのリン酸化とそれに続く樹状突起棘の成長を引き起こすことで長期増強を強化する。加えて、β-アドレナリン受容体のアゴニストであるノルアドレナリンなどは、タンパク質生合成依存である長期増強の後半段階を変化させる。また、一酸化窒素合成酵素の活性化は、グアニルシクラーゼとプロテインキナーゼG (PKG) を活性化する。同様に、ドーパミン受容体の活性化はcAMP/PKAシグナリング経路を通して長期増強を強化する。
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