鍵の選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 11:30 UTC 版)
書籍暗号の最大の強みは鍵である。暗号化されたメッセージの送信者と受信者は、暗号の鍵として両者が入手可能な書籍などの出版物を使用する。メッセージを傍受・解読しようとする者は、熟練の暗号技術者(以下の「セキュリティ」の項を参照)でない限り、膨大な数の書籍から何らかの方法で鍵を特定しなければならない。 諜報活動では、書籍暗号は、敵地で活動するスパイにとって非常に有利となる。従来のコードブックでは、現地当局に発見されてしまうと、保有者が即座にスパイとして罪に問われるだけでなく、当局がコードを解読し、工作員に成りすまして偽のメッセージを送信するチャンスを与えてしまう。一方、書籍であれば、スパイの成りすましている架空の経歴や職業に合致するよう慎重に選定すれば、不審に思われることはほぼない。 書籍暗号の欠点は、双方が鍵として全く同じ書籍を所持しなければならないことである。また、書籍は、使用者が持っていて違和感がなく、必要な単語が含まれているものでなければならない。例えば、スパイが軍隊の動きや兵器の数などの情報を送信したい場合、料理本や恋愛小説は、鍵として役に立つとは考えにくい。
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