銀行の規模と集中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:11 UTC 版)
「大きすぎて潰せない」の記事における「銀行の規模と集中」の解説
銀行の規模、複雑性、他の銀行との相互接続性は、2008年9月のリーマン・ブラザーズの倒産のように、金融システムや経済に大きな混乱を与えることなく、政府が銀行の破綻処理を行う(軟着陸させる)能力を阻害する可能性がある。 この「大きすぎて潰せない」企業体のリスクは、納税者の血税を使用した政府によるベイルアウトの可能性を高める。 米国最大の銀行は、銀行資産の集中が高まる一方で、拡大を続けている。米国の最大の銀行6行は、2012年の年次報告書(SEC Form 10K)によれば、2012年末の時点で9兆5,760億ドルの資産を保有していた。規模に関して言えば、2012年の米国のGDPの59%に相当する162億4500万ドルだった。米国の上位5行は、1998年に米国の銀行資産の約30%を保有していた。2008年までに45%、2010年までに48%に上昇し、その後2011年に47%に低下した。 この集中は、サブプライム住宅ローン危機とその余波が残っている間も続いた。 2008年3月、JPモルガン・チェースは投資銀行のベアー・スターンズを買収した。バンク・オブ・アメリカは2008年9月に投資銀行のメリルリンチを買収した。ウェルズ・ファーゴは2009年1月にワコビアを買収した。投資銀行のゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、預金取扱銀行持株会社の認可を取得した。これにより、追加的な連邦準備制度のクレジットラインが利用できるようになった。 米国の銀行の銀行預金の合計は、1960年から2006年までGDPの約60〜70%の範囲に収まっていたが、金融危機の期間、2009年にピークとなる84%近くまで跳ね上がり、2011年までに77%に低下した。 米国の商業銀行・貯蓄銀行の数は、1984年にピークとなる14,495行に達し、2010年末までに6,532行まで減少した。 2011年時点で、米国の大手銀行10行が米国の預金の50%近くを保有している。
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