鉄道省教習所
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1922年(大正11年)、鉄道50年祝典記念事業の一環として、鉄道教習所は大幅に拡充された。 中教は「鉄道省教習所(略称「省教」)」と改め、旧制専門学校に相当する普通部(業務科、機械科、土木科、電気科)を東京に設置し、旧制中学校卒業程度の入学試験合格者に対して修学年限を2年に延長し、卒業生は省内に限り旧制専門学校卒業者と同格の待遇となった。 省教はさらに、普通部の上に旧制大学に相当する修学年限2年の「高等部(行政科、機械科、土木科、電気科)」を置き、卒業生は同じく省内に限り旧制大学卒業生と同格の待遇となった(下述のとおり高文試験合格後、再採用された場合は省内限りでは無く、正式な高等官となる)。 いずれも、修学期間の二倍の期間の奉職義務があった。 教育内容として、それまでの職能教育中心から普通教育に重点を置いた内容に変更した結果、鉄道教習所は中等教育から高等教育までを部内で与える総合的な官費学校として屹立した。このため省教普通部は旧制中学校卒業者から多くの受験者が集まり、受験倍率は10倍を超える難関となった。 さらに、省教高等部については、行政科出身者のほとんどが高等文官試験に合格するなど、めざましい成果を上げた。 しかし、1925年(大正14年)、省教高等部は三期生を最後として募集停止となり、省教普通部は即時廃止され、在校生は新たに設立された東京鉄道局教習所専門部2年次へ編入された。 東京鉄道局教習所専門部は、省教普通部の衣替えというべきものであり、旧制中学卒業水準の者に対し2年の教育を行い、卒業生は省内に限り旧制専門学校卒業者と同格の待遇とされたが、部外募集は廃止された。
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