金沢貨物ターミナル駅
(金沢貨物ターミナル から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 10:15 UTC 版)
金沢貨物ターミナル駅 | |
---|---|
![]()
駅社屋(2005年11月)
|
|
かなざわかもつターミナル Kanazawa Kamotsu Terminal |
|
◄金沢 (2.6 km)
(2.8 km) 森本►
|
|
右上は東金沢駅 | |
所在地 | 石川県金沢市高柳町5の1-1[1][2] |
所属事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所属路線 | IRいしかわ鉄道線 |
キロ程 | 2.6 km*(金沢起点) 米原から179.2 km |
電報略号 | サタ←キチ |
駅構造 | 地上駅 |
開業年月日 | 2003年(平成15年)6月12日[1][3][4] |
備考 | 貨物専用駅 |
金沢貨物ターミナル駅(かなざわかもつターミナルえき)は、石川県金沢市高柳町にある、日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物駅である。IRいしかわ鉄道線に属している。
石川県の鉄道貨物輸送の拠点駅で、県内で唯一定期貨物列車が発着する駅となっている[3]。
歴史
- 2003年(平成15年)6月12日:金沢駅の構内扱いの貨物取扱設備を移転、着発線荷役方式(E&S方式)に改造した上金沢駅より分離し開業[1][3][4][5]。
- 2015年(平成27年)3月14日:北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間開業に伴う北陸本線の経営分離により、路線の所属会社がIRいしかわ鉄道に変更。
- 2017年(平成29年)1月19日:JR貨物・アサヒビール・キリンビール・日本通運と共同で、吹田貨物ターミナル駅から当駅までの鉄道コンテナ輸送を開始[6][7][8]。
- 当駅を中継し、日本通運金沢支店専光寺物流センター(金沢市専光寺町)で保管し各顧客へ配送するシステムで、2017年1月より石川県向けに開始した[9]。
- 2024年(令和6年)10月:当駅 - 大阪貨物ターミナル駅間で国際海上コンテナの鉄道輸送の実証実験を開始(2025年(令和7年)2月末まで)[10][11][注釈 1]。
取扱貨物
駅構造
着発線5線のうち[15]、コンテナホームと直結した2線をE&S方式として採用している[1][3][5]。そのほか、到着線と4本の貨物側線、電気機関車用の留置線2線を有する[15]。2024年(令和6年)には、40ft国際海上コンテナの取扱を可能とするため、荷役線の架線の一部を撤去し、国際海上コンテナに対応するトップリフターを配備した[11]。
また営業窓口であるJR貨物金沢支店(金沢市高柳町10の1-4)を併設する[16]。
駅周辺
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)金沢総合車両所(運用検修センター)
- IRいしかわ鉄道
- 西日本ジェイアールバス金沢営業所
- イータウン金沢 - ショッピングモール
- 高柳簡易郵便局
- 高柳町ふれあい広場 - 当貨物ターミナル駅に沿って建つマンションの間に設けられた小さな公園。
- 石川県道200号向粟崎安江町線 - 当貨物ターミナル駅の中央に跨線橋(陸橋)が架かる。通称は「東インター大通り」である。
- 高柳跨線橋 - 当貨物ターミナル駅と東金沢駅の間に架かる跨線橋(陸橋)。
隣の駅
脚注
注釈
- ^ この実証実験では、同年度に行われた宇都宮貨物ターミナル駅 - 横浜本牧駅間の輸送と併せて年間で40 ftコンテナ900個の輸送を目標としていたが、結果は379個に留まり目標達成には至らなかった[12]。当駅 - 大阪貨物ターミナル駅間の輸送に関しては、港湾との間のドレージ輸送運賃が高額のため荷主顧客の収益性を確保できなかったことが原因とJR貨物は分析しており、2025年度(令和7年度)においては、港湾運営会社の補助金の活用による運賃の引き下げや、荷主等への直接セールスの強化、官民一体の持続的なスキームの構築等に取り組むこととしている[12]。
出典
- ^ a b c d 日本貨物鉄道株式会社『「金沢貨物ターミナル駅」平成15年6月12日開業』(インターネットアーカイブ。2024年12月8日閲覧)
- ^ 『貨物時刻表』2021年3月ダイヤ改正版、鉄道貨物協会、p.203
- ^ a b c d 川島 2010, p. 47.
- ^ a b 「鉄道記録帳2003年6月」『RAIL FAN』2003年9月号(No.609・第50巻第9号)、鉄道友の会、p.17
- ^ a b 2003年6月13日付北國新聞3面「積み降ろし2時間短縮 金沢貨物ターミナル駅開業」
- ^ 2017年1月19日付アサヒビール株式会社プレスリリース『アサヒビール、キリンビール 物流分野における協業拡大 金沢に共同配送センターを開設、鉄道コンテナ路線を共同利用』(2021年10月17日閲覧)
- ^ 2016年7月27日付マイナビニュース『JR貨物、アサヒ・キリン商品の関西~北陸間輸送に協力 - 空コンテナを活用』(2021年10月17日閲覧)
- ^ 2016年7月27日付産経ニュース『アサヒとキリン、関西から北陸へビール共同輸送 JR貨物と日通が協力』(2021年10月17日閲覧)
- ^ 国土交通省四国地方整備局『日本貨物鉄道関西支社四国支店「トラックドライバー不足時代に対応する鉄道貨物輸送サービス」(2018年1月24日)』(PDF)、p.16(2021年10月17日閲覧)
- ^ 2024年10月17日付北國新聞「海上コンテナを鉄路で輸送 JR貨物、金沢 - 大阪で実証実験」(2024年12月25日閲覧)
- ^ a b c 国土交通省近畿地方整備局『鉄道で40フィート海上コンテナを輸送する実証事業を開始! -鉄道輸送とコンテナターミナルの積替円滑化に向けて-』(2024年12月25日閲覧)
- ^ a b 日本貨物鉄道株式会社『「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」中間とりまとめに対するKGI/KPIの達成状況について』 p.4(2025年6月9日閲覧)
- ^ 2024年12月4日付日本経済新聞「【大阪 - 金沢】海上コンテナを鉄道で輸送 国交省が実証事業」(2024年12月25日閲覧)
- ^ a b 木村 2020, p. 76.
- ^ a b 川島 2010, p. 13-14.
- ^ 日本貨物鉄道株式会社『エリア別サービス案内 関西支社』
参考文献
- 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』講談社、2010年9月20日。ISBN 978-4-06-270066-5。
- 木村雄一『日本貨物鉄道地図鑑』平凡社、2020年3月28日。 ISBN 978-4-582-94597-3。
関連項目
固有名詞の分類
- 金沢貨物ターミナル駅のページへのリンク