金メダル獲得までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 06:44 UTC 版)
「スティーブン・ブラッドバリー」の記事における「金メダル獲得までの経緯」の解説
1回戦は、幸運にも同じ組の対戦相手にブラッドバリーよりも飛び抜けて速い選手がいなかったため接戦となり、ブラッドバリーが混戦を制して1位でゴールし準々決勝に進出した。 準々決勝は、アメリカのアポロ・アントン・オーノなど優勝候補らと同じ組となった。ブラッドバリーも後述の通り、先行逃げ切りを図るも体力が尽きてしまい、レース中盤から最下位(4位)に後退し追走する状況となったが、最終コーナー直前、日本の田村直也とカナダのマーク・ガニヨンが接触し、田村がコーナーの外側に大きくコースアウトして壁にぶつかり転倒したため、3位でゴールした。準々決勝では上位2人しか準決勝に進出できないため、本来ならブラッドバリーがここで敗退するところであった。ところが、審判がガニヨンと田村の接触について「ガニヨンが田村を妨害した」と判断し、2位でゴールしていたガニヨンが失格となった。そのため、繰り上がりでブラッドバリーが2位となり準決勝に進出した(田村も救済措置で準決勝に進出している)。後にブラッドバリーは、「あの時(準々決勝で)は先行逃げ切りを図ったけど、最後にバテてしまい他のみんなに置いてかれたんだ。」と語っている。 準決勝では、スタートから優勝候補たちの先頭集団に遅れを取り、終始最下位(5位)で追走するレース展開になったが残り半周付近で韓国の金東聖が転倒し、さらに最終コーナーを曲がり終える直前には中国の李佳軍とカナダのマシュー・ターコットがそれぞれ転倒した。ゴール直前に計3人が転倒したことにより、ブラッドバリーも2位でゴールした。さらにその後の審議で、1位でゴールしていた日本の寺尾悟が「ターコットを妨害して李も巻き込んで転倒させた」と判断され失格となったため、ブラッドバリーも結果1位となったため決勝に進出した。 決勝では、準決勝よりも大きく先頭集団に遅れを取り、再度スタートからレースの終盤まで最下位(5位)で追走する状況となり、後にブラッドバリーは「決勝では体が痛く、到底あのようなペースにはついていけなかったよ」と語っていた。しかし、ゴール直前の最終コーナーで前を走っていた4人の選手(オーノ、安賢洙、李佳軍、ターコット)が互いに接触し合い全員転倒したため、一人後方に居て難を逃れたブラッドバリーが転倒した4人を抜き、1位でゴールした。準々決勝以降、ブラッドバリーの前を走る選手がゴール直前で次々と転倒したり、あるいはブラッドバリーより先にゴールした選手が失格になったりするなど幾多の偶然と幸運が重なったことにより、ブラッドバリーは衝撃の金メダルを掴み取ることとなったのであった。なお、転倒したオーノとターコットはいち早く体勢を立て直したものの、脇を悠然とすり抜けるブラッドバリーには追いつけず、スライディングで足からゴールして2位・3位となった。
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