金アマルガム法による鍍金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:02 UTC 版)
「アマルガム」の記事における「金アマルガム法による鍍金」の解説
日本で古墳時代以来使われているめっき法で、「消鍍金(けしめっき)」などと呼ばれた。 水銀は常温で液体状態にある金属である。水銀に金を近づけると溶けるように金を吸い込み、金アマルガムになる。金アマルガムから、鹿皮や反古紙などによって余分な水銀を搾り出し硬度を調整する。鍍金を施す銅の表面を磨き上げ梅酢などで清浄し、均一に延ばし火にかざすと水銀の色が抜けて金色に変化する。およそ350℃で水銀が蒸発するためである。この状態では鍍金表面には細かい粒子凹凸が残っているので、鉄ヘラのようなもので丁寧に平均化する、ヘラ磨きという作業を行い完成する。 古墳発掘の副葬品は既に錆に覆われた銅や青銅が多いが、表面に金アマルガム粒子の残留やヘラ磨きの痕跡があり、鍍金加工がされていたと考えられている。 水銀は人体にとって有害であり、水銀を蒸気にして大気中に飛ばすことは危険である。現在では水銀の回収装置のない状況でのこの作業は禁止されている。 奈良の大仏の金めっきにおいてもこの方法が用いられたが、水銀蒸気による水銀中毒が作業者に多発したものと想像されており、小説などの題材になっている(例:帚木蓬生『国銅』)。
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