量と単位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 08:12 UTC 版)
物理量は、相互に比較できる量に分類することができる。例えば、長さ、幅、直径、距離、波長などは同じ分類である。このような相互に比較できる量の分類を「同一種類の量(quantities of the same kind)」という。 そのような「同一種類の量」について具体的な基準量(これを「単位(unit)」という)を選ぶと、その種類の他のいかなる量も、単位と1つの数(これを「(量の)数値(numerical value)」という)の積によって表すことができる。例えば、以下のように書くことができる。 波長λ = 6.982 × 10−7 m ここで"λ"は物理量(波長)の記号、"m"は単位(メートル)の記号、"6.982 × 10−7"はメートルで表した波長の数値である。より一般的には、以下のように書き表せる。 A = {A} · [A] ここでAは量の記号、[A]は単位の記号、{A}は単位[A]で表した量Aの数値である。 量の数値も量の記号も因子であり、それらの積が量である。量それ自体は固有の特定の数値や単位を持たない。同じ量になる、異なる数値と単位の数多くの組合せが有り得る(例:A = 300 · m = 0.3 · km = ...)。数値と単位が一緒に使われない限り、この曖昧さは{A}と[A]による表記法を役に立たなくする。 量の数値は、それを表すために選ばれる単位から独立している。量自体と特定の単位で表した量の数値とを区別しなければならない。上記の波括弧を使った記法は、この依存性を明確にするために、{λ}m = 6.982 × 10−7 や {λ}nm = 698.2 のように書くこともできる。実際には、特定の単位で表される量の数値に言及することが必要な所で、以下のように単位に対する量の比として表記すると便利である。 λ/m = 6.982 × 10−7 または λ/nm = 698.2 これは、グラフ及び表の欄の見出しなど、各々の数値の後で単位を繰り返し書くのが不都合な場合に有用である。
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