遠い頂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 22:48 UTC 版)
時は1930年代初めごろ、英国空軍大尉のウォルト・ウィルバーは、飛行機でエベレスト中腹に着陸できれば登頂は簡単にできると考え、飛行を行ったが、着陸することすらかなわなかった。 エベレストの魅力に憑りつかれたウォルトは、軍を辞し公爵家も飛び出し、全てを投げ出してエベレスト登頂に賭けた。恋人ローラはそんなウォルトの後を死にもの狂いでついて行く。 アルプス山脈でウォルトは人であることを忘れるほどの、ローラは女であることを忘れるほどの登攀訓練を行い、1934年についに2人はエベレストへ向かう。 当初は順調であった登攀も、次第に天候が悪くなる。雇ったシェルパ族たちも女であるローラが山に入ったから、山の神が怒っていると逃げ出す始末。ただ1人残ったシェルパ族の若者パデトと3人で登攀を続ける。 前年の英国隊の残した食糧などに助けられながら、最終キャンプの設営を行ったが、高山病のためローラが動けなくなってしまう。ローラは自らウォルトの登頂を推し、ウォルトは単独で登頂に挑んでいく。 これはエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイによるエベレスト初登頂が行われた19年前の、記録から抹消された物語である。 なお、1934年には実際に飛行機でエベレスト中腹に強行着陸し登頂する計画を立てた元イギリス空軍のパイロット、モーリス・ウィルソンが単独で入山し遭難死する事件が発生している。
※この「遠い頂」の解説は、「岳人列伝」の解説の一部です。
「遠い頂」を含む「岳人列伝」の記事については、「岳人列伝」の概要を参照ください。
- 遠い頂のページへのリンク