運航停止後のTu-144
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:17 UTC 版)
「Tu-144 (航空機)」の記事における「運航停止後のTu-144」の解説
一部のTu-144は運航停止からソビエト連邦の崩壊後の数年間は、ツポレフの工場で放置されていた。その他に、モニノ空軍博物館(ロシア・モスクワ近郊)やジンスハイム自動車・技術博物館(ドイツ・ジンスハイム)にて雨晒しで野外展示されている機体もある。ジンスハイムの機体は機内を見学することが可能で、コンコルドと並んで展示されている。 なお、Tu-144Dのうちの1機であるRA-77114機は改造の上、次世代超音速旅客機開発のためのデータ収集を目的とする、ロシアとアメリカの共同プロジェクトのために復帰していた。 この復帰にあたっては、エンジンをより強力なNK-321ターボファンエンジン(Tu-160が装備するエンジン)に換装し、操縦系統等にデジタル技術を取り入れるなど、大幅な改造を行っている。このTu-144はTu-144LL(LLは「Flying Laboratory」を意味するロシア語「Letayushchaya Laboratoriya」からの略語)と呼ばれ、1996年11月30日に初飛行 し、1999年4月までにモスクワ近郊のジュコーフスキーで飛行試験と地上試験に使用され、試験終了後十数年にわたって放置された。 しかし、2019年ごろに外装の修復が行われ、現在はアエロフロートの旧塗装に塗り替えられた状態でジュコーフスキー空港の敷地内で保存されている。 これらのデータを元に、ツポレフ設計局はTu-244と呼ばれる新しい超音速輸送機を開発・設計し、使用するエアラインが名乗り出れば即時に具体的な形にできるとしていたが、計画は進展していない。Tu-444という小型超音速旅客機のプロジェクトが発表されたが、こちらも状況は同じである。
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