連邦議会との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 09:49 UTC 版)
「アメリカ合衆国連邦政府」の記事における「連邦議会との関係」の解説
大統領と連邦議会との関係は、合衆国憲法制定当時のイギリスの君主と議会の関係を反映している。連邦議会は、大統領の行政権を制約するための立法を行うことができ、それは軍の最高指揮権に関しても同様である。しかし、この権限は非常に稀にしか発動されない。著名な例が、ベトナム戦争中、リチャード・ニクソン大統領によるカンボジア爆撃作戦に対して課せられた制限であった。大統領は必要かつ適切と考える施策について連邦議会に審議を勧告することが可能となるが(合衆国憲法2条3節)、その立法化には連邦議会の支持者が必要である。大統領に法案の拒否権があること、連邦議会に大統領の弾劾権があることは前述のとおりである。弾劾訴追を受けた大統領には、アンドリュー・ジョンソン、ビル・クリントン、ドナルド・トランプがいる。クリントン大統領は、下院で弾劾訴追を受けたものの、上院で無罪判決を受け、第2期の任期を全うした。リチャード・ニクソン大統領のウォーターゲート事件の場合は、訴追への動きがとられる前に大統領が辞任したため、弾劾訴追には至らなかった。 大統領は、内閣の閣僚や外国駐在大使などを含め、約2000人の行政官の任命を行うが、これは上院の助言と同意を得なければならない。 大統領は、憲法上の責務として、連邦議会に対し、随時(通常は年1回)一般教書演説を行う。憲法上は、大統領自ら教書演説を行うことは要求されておらず、書簡の形で送付すればよい(19世紀には書簡の形で行われていた)。
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