近似による誤差
近似誤差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 15:35 UTC 版)
台形公式の利点は、近似誤差が容易に分かることである。 凸関数に対してこの公式で積分を求めると、結果は実際の値よりも台形と実際の関数曲線の差分の分だけ小さい値になり、凹関数に対してこの公式で積分を求めると、結果は実際の値よりも台形と実際の関数曲線の差分の分だけ大きい値になる。また積分区間が変曲点を含むとき上記の凸部分の誤差と凹部分の誤差が打ち消し合い全体的な誤差は小さくなる。 さらに、台形公式は周期関数をその周期よりも長い区間積分する場合にはきわめて精度が高くなる傾向がある。これはオイラーの和公式(オイラー・マクローリンの公式)との関係をみると良く理解できる。しかしながら非周期関数に対しては一般に、 ガウス求積やクレーンショー・カーチス数値積分則のような非等分点法の方がより精度が高い。また、二重指数関数型数値積分公式も台形公式が応用されている。2重指数型関数が入ったケースにおいては、同様に精度がきわめて高い事が知られている。 台形公式の誤差の補正には、被積分関数の端点での高階導関数値を用いた「オイラー・マクローリンの公式」や、端点での高階導関数値を高次の差分商に置き換えて得られる「グレゴリーの公式」が知られている。(参考文献:日高孝次:「数値積分法」上巻,第四章「Euler-MacLaurin 及びGregoryの数値積分公式」,岩波書店、昭和11年(1936年)7月)(ただし「数」の字は旧字体)。
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