転倒ます型雨量計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 04:57 UTC 版)
雨量計の内部に、シーソーの支点(転倒軸)上で結合された2つの容器(枡)からなる転倒ますと呼ばれる機構を持つ。受水器が集めた降水は一方のますに注ぎ込み、一定量(多くは降水量0.5mm相当)がたまると、その重さによってシーソーが転倒し(鹿威しを参照)、降水は跳ね上がったもう片方のますに注ぎ込むようになる。これを繰り返して、1時間当たりの左右交互に転倒する回数を数えることによって雨量が測られる(大雨の時には猛スピードで転倒が繰り返されることになる)。 転倒回数の計測には、転倒ますの重量によって作動するマイクロスイッチや、転倒軸に取り付けた磁石が動くことによって作動するリードスイッチが用いられる。カウンタ式の自記装置やパルス発信器を装着すれば、長期間の自動連続観測や遠隔地からのモニタリングが無人で行えることから、日本では、気象庁や河川事務所といった公的機関で主力となっている。 気象観測用として許容される器差は、転倒雨量(1回の転倒に必要な降水量)が0.5mmの場合、雨量20mm以下において0.5mm・雨量20mm超において雨量の3%、転倒雨量が1mmの場合、雨量40mm以下において1mm・雨量40mm超において雨量の3%である。
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