超音波式風速計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:33 UTC 版)
音速をVs、風速をVwとしたとき、音波は風上から風下にはVs+Vw、風下から風上にはVs-Vwの速さで伝播する。このことを利用して、向かい合わせに配した発信部と受信部との間で超音波の伝播時間を測定することにより風速を測ることができる。測定区間が直交する2組の発信部・受信部を用いて(例えば東西・南北の)成分ごとの測定を行うことにより、風を風向を含むベクトルとして観測することができる(鼓状に配した3組を用いて立体的な観測を行う製品もある)。また、実際の製品では、測定区間の両端に受信部と発信部とを一体化したものを配置して往復両方の時間を測定することによって気温・気圧の変化による音速の変化を相殺し、観測誤差を抑えている。 外部雑音による誤差を生じやすく、風向・風速の確定には電算機処理が必要な一方、原理上、距離定数が存在せず、環境中に機械的作動部分を露出しないことから耐候性に優れ、また、防氷装置の実装も楽なことから、頻繁な点検を行いにくい僻地に設置されることが多い。 気象観測用として許容される器差は、風速6m/s以下において0.3m/s・風速6m/s超において風速の5%とされている。
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