走者満塁でのスクイズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 03:00 UTC 版)
「スクイズプレイ」の記事における「走者満塁でのスクイズ」の解説
走者満塁の状況では本塁はフォースプレイになるため、スクイズを成功させることはより難しくなる。捕手は三塁走者に触球する必要がないため、素早く一塁に送球することが可能となり、併殺も成立しやすい。バントはインフィールドフライが適用されないため、小フライを打ち上げた場合は守備側が意図的に捕球しないことでトリプルプレーが成立することもあり得る。 走者満塁でのスクイズが勝負を分けた有名な場面としては、1979年11月4日に大阪スタヂアムで行われたプロ野球日本シリーズ第7戦、近鉄バファローズ対広島東洋カープにおける「江夏の21球」が挙げられる。9回裏、1点リードの状況でマウンドに上がった広島の江夏豊は無死満塁の状況を招いたが、近鉄の打者・石渡茂のスクイズを外すことに成功。結果的に近鉄の攻撃を抑え、広島を日本シリーズ優勝に導いた。 2018年8月18日に行われた第100回全国高等学校野球選手権記念大会の準々決勝・近江高等学校対金足農業高等学校戦も挙げられる。金足農が1点を追う9回裏の攻撃で、無死満塁の場面を作ると、打席に入っていた9番打者がスクイズを敢行。打球はゴロとなり近江の三塁手が打球を捕球するも、スタートを切っていた三塁走者がホームインして金足農が同点に追いつく。すると近江の三塁手は打者走者を封殺すべく一塁へ送球したが、その間に金足農の二塁走者もホームへ突入。近江は三塁手からの送球を受けた一塁手が即座に本塁へ転送するものの、返球を受けた捕手のタッチをかいくぐって二塁走者がホームインし、ガッツポーズを決めて大喜びを上げ、3-2で金足農が逆転サヨナラ勝利。このスクイズは大会史上初となる逆転サヨナラツーランスクイズとなり、大きな話題となった。満塁という状況で近江は内野前進守備を敷いていたが、この守備隊形の影響で二塁手、遊撃手が牽制による二塁ベースカバーに入る事が難しくなり、二塁走者がリードを大きく取れるようになったこと、および二塁走者がチームで一番の俊足であったことが、このプレーを生んだ要因といえる。
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