走者の守備妨害
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1976年5月20日、広島東洋カープ対阪神 2回裏(広島の攻撃)、無死満塁で打者の外木場義郎は二塁手の方向へゴロの打球を打った。阪神の榊原良行二塁手がこれを捕って二塁へ送球しようとしたとき、一塁走者の水沼四郎がぶつかった。妨害発生のとき三塁走者は本塁に達していたが、二塁走者は三塁に達していなかった。審判団は水沼に守備妨害でアウトを宣告したが、塁上の走者に対して妨害発生時点に達していた塁までの進塁を認め、得点1、一死一・二塁で再開とした。しかし、この事例は打者走者がまだ一塁に達する前の妨害であったから、本来なら打者走者に一塁を認め、それ以外の走者は進塁できないことになる。得点を認めず、一死満塁からの再開とするべきであった。 2014年7月4日、読売ジャイアンツ(巨人)対中日ドラゴンズ(東京ドーム) 8回表(中日の攻撃)、一死一・二塁から、藤井淳志の打球が巨人の久保裕也投手のグラブを弾いて二塁手の方向に跳ね、これを片岡治大二塁手が処理しようとしたところ、直前で一塁走者の和田一浩に触れ、打球を処理できなかった。二塁塁審の佐々木昌信は、「片岡が打球を処理しようとしており、守備機会があった。一塁走者の和田がその守備を妨害した」と判断した。つまり、規則7.08(f)【注1】 にある「一度内野手に触れた打球を守備しようとしている他の野手を走者が妨害した場合」にあたり、同7.08(b) を適用しての守備妨害である。和田にアウトが宣告され、三塁に進んだ二塁走者は二塁に戻されて、二死一・二塁で試合は再開された。 2015年7月12日、東京ヤクルトスワローズ対横浜DeNAベイスターズ(明治神宮野球場) 9回裏(ヤクルトの攻撃)、無死一塁で一塁走者の武内晋一は中村悠平の一塁ゴロの際に既にフォースアウトとなっていたが、併殺を逃れようとしてDeNAの倉本寿彦遊撃手に向けてスライディングし、交錯する。この行為は守備妨害と判定され、打者の中村もアウトになった(このような形で併殺が成立した場合は、打者には併殺打は記録されない)。武内はこの判定に不服の態度を表し、グラウンドにヘルメットを投げつけたことが審判員への侮辱行為と見做されて退場処分を課された。
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